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2021年11月6日、洋食器メーカー『NIKKO(ニッコー)』が、渋谷の富ヶ谷にジェネラルストアのロストアンドファウンド トウキョウストア(LOST AND FOUND TOKYO STORE)をオープンした。ショールーム機能も備えた旗艦店という。いったいどんなものが置かれているのか、足を運んでみた。
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『NIKKO』は、石川県に拠点を置く1908年創業の洋食器メーカーだ。100年以上にわたって、ホテルやレストランで使われるプロユースクオリティーの洋食器を作り続けており、中でも『NIKKO FINE BONE CHINA(ニッコー ファインボーンチャイナ)』は、多くのトップシェフたちに愛されてきた、同社の代名詞ともいえるコレクション。ミニマムなデザインと純白の清廉さ、さらに丈夫さを兼ね備えている。
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「忘れ物保管所」を意味する名を冠した『ロストアンドファウンド』は、原料から生産の最終工程まで全て石川県白山市の自社工場で行っている同社が、確かな品質と品位を持ちながら社会情勢や地球環境などにおける時代の大きな変化の中でより良い未来を描き、人々の豊かな暮らしを創造するプロジェクトだ。世の中にあふれた多くの物や、時代の流れに埋もれてしまった「良い物」が見つかる場所として、2021年5月にECサイトをオープンした。
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今回の実店舗はその旗艦店であり、ショールームとしての役割も担う。プロデュースは、「場づくり」の専門家集団であるトランジットジェネラルオフィスが担当。マイルストーン(MILESTONE)の長田篤が手がけたインテリアデザインは、白山市の自社工場で象徴的に立つ、1963年に作られたというれんが造りの窯などに着想を得て、工場の配管のくすんだピンク色もデザインに取り入れた。什器(じゅうき)に至ってはそのまま使用している。
目玉となるのは、やはり『NIKKO』の食器類だ。ショールームも兼ねており、同社のアイテム約400点を取りそろえる。ホテルやレストランに卸している食器が1枚から購入できるほか、一般のユーザー向けのコレクションも展開。使い捨ての紙カップのデザインを陶器にしたシリーズも人気が高い。
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旗艦店のオープンに合わせ、アートディレクターの平林奈緒美がプロダクトセレクトを担った新コレクション『REMASTERE(リマスタード)』もローンチ。同社の洋食器のアーカイブの中から、「いつの時代でも使い続けることのできるアイテム」を選抜。一部は現在のニーズに合わせて「リマスタード」(再編集)を施した。
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『NIKKO』の食器のほか、世界中から厳選した約800点のアイテムも販売する。商品のセレクトは、暮らしの道具や生活雑貨を取り扱う代々木上原のラウンダバウト(Roundabout)と吉祥寺のアウトバウンド(OUTBOUND)のオーナーである小林和人が担当。
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例えばリーデルの脚のないグラス、茶色ではない亀の子タワシなど、あえてブランドの中でもメインではないグッズをセレクトしている。100以上を集めた、ブラシの品ぞろえも楽しい。スエード用や蜂蜜用、オーストリッチのほこり用ブラシなど、「こんなブラシがあるんだ」といった新たな発見が楽しい。
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なお、地下1階は法人対応のショールームとなっている。高機能キッチンも備えており、イベントスペース、また撮影スペースとしての機能を持つ「発信基地」としての役割を担う。
ふらりと立ち寄った人の滞在時間も長いという「忘れ物保管所」。ここでなら、愛着とともに使い続けることができるアイテムにきっと出合えるはず。プレゼント選びにも重宝しそうだ。
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