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世界6都市の「夜の市長」がシドニーに集結

ナイトタイムエコノミーの諸問題を意見交換

Alice Ellis
テキスト:
Alice Ellis
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
People standing with the Sydney Harbour Bridge in the background.
Photography: Supplied
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2023年5月上旬、世界各国で活躍する6人の「夜の市長」がシドニーに集結。同市の夜の市長であるマイケル・ロドリゲスや、シドニーのナイトライフの継続的な向上に関心を持つ多くの人たちと議論を交わした。

今回集まったのはニューヨーク、ロンドン、パリ、ウィーン、モントリオール、バルセロナ、そしてシドニーの夜の市長たち。彼らはヴェニュー運営者たちから学ぶために街を視察。ロドリゲスがホストを担当した2日間のナイトライフのリーダー向けカンファレンス「NEON Sydney」の講演を「シドニー国際会議場(ICC)」で行った

「NEON Sydney」の目的は、にぎやかで安全なナイトタイムエコノミーを実現するための課題と解決策を共有すること。シドニーの業界関係者は、海外の夜の市長からそれぞれの都市でうまくいっていることを共有してもらいたいと考え、逆に海外からのゲストたちもまた、シドニーから学びたいと考えてカンファレンスに参加したというわけだ。

シドニー市民でも驚く人がいるかもしれないが、この街がナイトライフの領域で短い間に成し遂げた成長ぶりは、このカテゴリーの世界のオピニオンリーダーから高く評価されている。

「カンファレンスに登場したナイトタイムリーダーたちの豪華さは、世界における日没後のトピックにおいてシドニーが影響力を持つことを証明しています」と、ロドリゲスは語った。

夜の外出がパンデミック以前のレベルより増えているシドニーでは、 この状態を継続させるために、さまざまな取り組みが行われている。

例えば、新しい夜の街を開発するためのナイトライフ助成金や、シドニー各地で展開されている(安心して遊べるナイトライフ区画を政府が認定する)パープルクラッグ政策などがある。また、新州政府はライブハウスを倍増させることを約束し、スタジアムにおけるコンサート開催数の上限も撤廃しようとしている。

世界のほかの都市が24時間にぎわう中、シドニーには独自の課題があると思われがちだが、この街の課題はほかの夜の市長たちが直面するのと同じ。どの街でも直面している問題の第1位は、騒音に関する苦情だという。

この問題を前進させるため、各都市の夜の市長は、騒音に悩む住民と健全な話し合いをすることが大切であると認識している。例えば、シドニーのインナーウェスト評議会では、コーヒーやビールを飲みながら住民の意見を聞く機会を創出。このことはまた、議会やヴェニュー運営者が、ライブなどの文化活動の価値について、背景を説明する場を得ることにもつながった。

ナイトクラブの元オーナーで、ロンドンの夜の市長(肩書は「ナイトシーザー」)を務めるエイミー・ラメは、「ナイトタイムエコノミーが都市の成功に果たす役割を認識することは、非常に重要。対象はバーやパブ、クラブといった従来のものだけでなく、夜に行われる全てのアクティビティとなります。例えば、ロンドンでは140万人が夜間に働いています。その多くは公的医療機関に従事しているのです」と言う。

ラメは、このような人たちが帰宅後に行く場所、つまり食事や遊び、買い物などの用事を済ませる場所が必要だと指摘する。

ありがたいことにシドニーで夜に遊べる場所は、徐々に増加傾向にある。ラメもそれを実感し、次のように話してくれた。「シドニーは成長軌道に乗っています。 ナイトライフを計画的に整備するいい機会でしょう。反発するのではなく、積極的になる時期なのです。シドニーからいくつかのアイデアを持ち帰って、ロンドンで実践していくつもりです」

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