[title]
2021年6月4日、ブルックリンを代表する古着屋であるフロントジェネラルストア(FRONT GENERAL STORE)の日本初支店、FRONT 11201が代々木上原に開店した。フロントジェネラルストアはニューヨークのダンボ地区に2013年に開業した日本人がオーナーを務めるビンテージショップで、2017年にはファッション雑誌GQのWEB版であるGQ.COM(US)で『The 25 Best New Stores in the World』に選定されるなど、世界的に注目を集めている店だ。
場所は代々木上原の閑静な住宅街にあり、内観は白で統一されたメゾネット型のエントランスとらせん階段が印象的。自然光が差し込む店内は、適度に明るく居心地が良く、初めてでも入りやすい雰囲気だ。ニューヨーク店のコンセプトは1920、30年代のアメリカにあった「GENERAL STORE」(多様な商品を扱っている雑貨店)で、同店はそのコンセプトを継承しつつ、現代的な形で提案している。
店内には、アメリカから一点ずつ厳選された1940年代から00年代までのビンテージウエアやジュエリーが約500点以上並ぶ。また、ソックスやキャップ、パロサント(天然の香木)などのセレクト商品やオリジナルアイテムも用意。レディース、メンズ、ユニセックスが50%、30%、20%の割合で構成されており、レイアウトはフロアーごとにカテゴリー分けされ、見やすくなっている。
ニューヨークで企画したオリジナル商品も展開
「おすすめは、ニューヨークで企画したオリジナルデニムです」とFRONT 11201のオーナーである西山育貴は言う。『リーバイス519』や『ラングラー(Wrangler)』のブーツカット(Bootcut)タイプにイメージが近いシルエットで、センタープレスやストレッチがきいたデニムで製作されたスリムデニムパンツ。
ほかにも、スタイルを選ばないシンプルな無地のカットソーや、ニューヨークの店舗住所がステンシル調にプリントされたキャンバスの『メッセンジャーバッグ』などのオリジナル商品を展開している。タグやパッケージングといった細部にまでこだわりが感じられ、商品の完成度の高さが十分に伝わってくる。
オリジナルアイテムのラインアップは、ニューヨークの本店とほぼ変わらない。本店でリアルタイムに人気の商品を日本で購入できるのは、同店ならではの魅力だろう。
仕入れ商品は抜群のコストパーフォーマンス
仕入れ商品は、ニューヨークに本店を持つ強みを生かし、現地から直接商品を仕入れることで買い付けに行くコストを削減し、商品代金に還元している。例えば、1980年代の100%シルク素材のニューオールドストック(未開封のビンテージ商品)のシャツが4,000円台といった具合だ。
仕入れで気をつけていることを西山に聞くと「できあがった商品の基準やバイイングの特徴などを含め、商品のクオリティーを崩さずにキープすることです」と答えた。また、代々木上原という土地柄や、流行のサイズ感なども意識してセレクトしているという。取り扱っているアイテムは、ビンテージながらきれいな物が多く、クリーニングやメンテナンスがしっかりと行き届いている。
ビンテージの什器でニューヨークの店を再現
店内の什器(じゅうき)は、ニューヨークから直接取り寄せたものや、培ってきた人脈から仕入れたヨーロッパやアメリカ製のビンテージショーケースを使用している。「少しずつ集めていたもので、ニューヨークの店の雰囲気を再現しています」と西山。中には、シルバーやゴールドをはじめとするビンテージジュエリーが整然と並べられている。その総数量は約300点以上と、圧巻の品ぞろえに目移りしてしまうだろう。
同店のオープンは以前から計画されていたが、この時期に出店したのは新型コロナウイルス感染症の影響である。2020年3月〜6月中旬ごろにコロナ禍で本店を閉めざるを得なくなり、壊滅的な危機に陥ったことで「日本から少しでもサポートしよう」と出店が早まったそうだ。「ファッション、古着に興味のある人はぜひ一度来てみてください」と西山は来店を呼びかける。
なお、店舗は不定休のため、最新の営業日は公式Instagramで確認してほしい。通常は予約制で対応しているので、訪れる際は事前にダイレクトメールもしくは特設サイトから予約できる。
予定が合わない人はオンラインストアをチェックしてみるのもいいだろう。8月現在のオンラインストアは海外発送となるが、初秋には国内発送に対応した日本公式オンラインストアがオープン予定だ。ニューヨーク発の同店で、これまでの日本の古着屋とは一味違う体験をしてみては。
テキスト:加藤利明
関連記事
『ブルーボトルとNIGO®がコラボレーションした新店が原宿にオープン』
『日本のおしゃれ70年分をひもとく展示が国立新美術館でスタート』
『五反田の旧ゆうぽうと跡地が2023年12月に大規模複合施設へ』
『池ノ上にメキシコの灌木や雑貨を扱う店、ヴィヴェロ トーキョーがオープン』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら