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ニューヨークで長年愛されたKmartが閉店

イースト・ヴィレッジの「生活」を象徴する存在

Melissa Kravitz Hoeffner
テキスト:
Melissa Kravitz Hoeffner
kmart
Photograph: Shutterstock
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ニューヨークのマンハッタンで最も愛されてきた大型ディスカウントストア、Kmartアスター・プレイス店が「在庫一掃セール」を行い、2021年7月11日に閉店した。セールでは少し傷んだ事務用品から、25年間にわたってイースト・ヴィレッジの買い物客を迎えてきたマネキンまで、ありとあらゆるものが売りに出された。

イースト・ヴィレッジの話題を伝えるブログ、EV Grieveによると、店の従業員が閉店を知ったのは2日前。地元民の多くも、このような象徴的で、妙に慕われていた施設が突然閉店することにショックを受けていたとのことだ。

このKmartでは、ニューヨーク大学の学生たちが学期初めに必需品を買い込む場所であり、画材、演劇に使うような衣装を手頃な価格で手に入れられる場所だった。そして、アスター・プレイスから地下鉄の6番線へ乗る、ユニークな駅の入り口でもあった。

突然の雨、うまくいかないデート、気まずいやりとり……。たくさんのことから我々を救ってくれたのも、このアメリカらしいディスカウントストアだ。家具売り場にはナイトアウトの合間に仮眠できる十分なスペースがあり、試着室はパーティーをはしごする際の着替え場所でもあった。この店の「半公共」トイレは幸運なことに、隣にある常に混雑しているスターバックスのトイレよりも空いてて、よく行ったものだ。

過去30年間でイースト・ヴィレッジの多くの場所が変化していくなか、アスター・プレイスのKmartは安定しており、ライブや有名人の来店イベントを数多く開催。セレブとの遭遇も珍しくなかった。誰でもトイレットペーパーが必要だということだろう。

このKmartは2018年、Vornado Realty Trustにリース契約を4,600万ドル(約50億5,800万円)で売ったと報じられ、店舗スペースを3階建てから2階建てに縮小していた。ビルの上階には、FacebookやAOLなどのハイテク企業がオフィスを構えている。

今後下階はどうなるのだろうか。同じようなオフィスがさらに増える? もっとハイテクな企業が入る? セルフサービスのビアバーを備えたWhole Foods Marketになる? アップルストア? いずれにしても、Kmartのような奇抜さはもう見られないだろう。

Twitterには、Kmartのイースト・ヴィレッジからの撤退を惜しむ声が投稿されている。Kmartは、2021年初頭にペンプラザの店舗を閉店。ニューヨークに残る店舗は、ブロンクスの2店のみとなる。 

原文はこちら

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