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ニューヨークの5番街が、2022年12月前半の日曜日に歩行者天国になるというニュースが届いたのは、11月中旬だった。それからわずか1カ月後の12月14日、同市の市長であるエリック・アダムスは、この人気の大通りを歩行者中心の場所に変えることを主眼に置いた、新しいビジョンを発表した。
12月前半に実施した「Open Streets」の成功を受け新たに打ち出されたのは、「New New York: Making New York Work for Everyone」という計画。同計画では、5番街の42丁目のブライアント・パークから59丁目のセントラル・パークまでの区間を、混雑が少なく安全で、自転車や公共交通機関の利用を前提とした場所ににしていくことを目指すという。
市長は声明で次のように述べている。
「5番街はミッドタウンの象徴的な通りであり、経済の原動力となっています。また同時に、世界レベルの公共空間がいかに活気あるビジネス街の創造に貢献できるかを、市や国の人々に知ってもらう機会にもなるでしょう」
「ニューヨークが戻ってくるのではなく、ニューヨークは戻ったのです。しかし、ニューヨーカーは手をこまねいているわけではありません。私たちはこれからも全ての人と向き合い、一緒に革新的なアイデアを考え、この街をより安全で公平にし、そしてより繁栄させるのです」
市長は通勤傾向、仕事と交通のパターン、通行料制度などさまざまなデータに基づき、全体的なビジョンの一部として、次のような目標を設定した。
・ブライアント・パークとセントラル・パーク間の5番街を、歩行者を中心とした市民が楽しめる革新的な空間へと変貌させる。そのために新しい植栽の設置、照明の強化など、公共空間の改善を行う
・バスの運行速度を上げるなど、持続可能な交通手段や大量輸送手段にプライオリティーを置く
・5番街全体の歩行者空間を大幅に拡大する。歩道を拡張し、アクセシビリティと歩行者のモビリティを優先する
・自転車も含めた交通における安全性の向上させる
計画の詳細はまだ決まっていないが、ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)と市運輸局(DOT)が設計事務所と契約し、計画プロセスを開始する2023年初頭までには、さらに改善されると予想される。
今回発表されたビジョン全体は、合計2年間で実行されていく予定。資金面では市と州がプロジェクトの資金の大半を提供するが、多くの民間パートナー(ブライアントパーク協会、セントラルパーク管理委員会、5番街協会、グランドセントラルパートナーシップなど)も財政面で関与することになる。
これは、全世界で最も訪問者の多い地域の一つにおける「新しい時代」の幕開けといえよう。
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