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ニューヨークの初代「夜の市長」が退任へ

タイムアウトニューヨーク独占:2つの政権とパンデミックで大役を全う、市は後任を募集中

Anna Rahmanan
テキスト:
Anna Rahmanan
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
Party, DJ, club
Alvaro Saavedra @alvarocine
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ニューヨーク市ナイトライフ局の創設者のアリエル・パリッツが2023年4月末にその職を正式に退くことが明らかになった。それに伴い、市は次の 「ナイトメイヤー」(夜の市長)を探し始めている。

新設された役割をパリッツが引き受けたのは2018年のこと。在任中、2人の市長に対処する方法を学んだ。ただ、彼女にとって一番の挑戦だったのは、ホスピタリティー業界の動きを完全に変えてしまったパンデミックへの対応だろう。

彼女はナイトメイヤーを5年間務め、その職務から離れるが、それでも「ナイトライフ業界とコミュニティーのために支援を続け、戦う」つもりだと、タイムアウトとの電話インタビューで語っている。

「私が当時ナイトメイヤーに選ばれたのは新しい局の設立、基礎となるインフラの構築、何をすべきかを定義するため。パンデミックと2つの政権を経て、バトンを渡して私だけに依存しない形でこの局が継続できるということを証明することが重要であると感じていました」

新しい求人情報によると、ナイトライフ局のエグゼクティブディレクターになる人には、同局の日常業務を指揮し、市のナイトライフ業界を支援するための包括的な戦略の先頭に立つこと、そのために必要な追加政策やプログラムを提唱することが求められる。

具体的には「ナイトライフ事業者の動向、問題、違反を把握」「年次報告書の作成ディレクション」「許諾、免許や行政指針によるナイトライフ事業者のサポート」といった仕事があるようだ。

最低限必要な資格要件としては、認定された大学での学士の取得、職務と責任を果たすのに十分なフルタイムでの職業経験を3年以上有していることが挙げられている。年俸7万2,038〜13万6,000ドル(約968万〜1,828万円)の範囲で設定されるという。

パリッツは、これまで自身が取り組んできたプログラムを後継者が引き続き推進することを願っている。例えば、ナイトライフ業界の開業・運営・管理に関する教育を目的とした月1回のクラスシリーズ「NITEスクール」、ナイトライフ事業者が常に抱えている近隣トラブルに対して無料の調停・紛争解決サービスを提供する市全体の取り組み「MEND」などだ。

パリッツは「禁酒法時代からこの業界は、街の資産ではなく、負債として扱われてきました。歴史的にみると、アプローチは先を見越した管理よりも、後手に回った取り締まりが中心。私たちは、この業界の人々が意思決定のテーブルにつき、生き残るために必要な専用のリソースを得られるようにするために、インフラを作ったのです」と自身がしてきたことを振り返っている。

後任者へのアドバイスとして、パリッツは、この職務には 「好きであること」が必要だと指摘する。

「私自身、ニューヨークで生まれ育ち、クラブでプロモーターを務め、イーストビレッジで10年間自分のナイトクラブを経営していました。新しいディレクターには、この業界と街に対する愛情、尊敬、感謝の気持ちを持って臨んでほしいと思っています」

パリッツに敬意を表するとともに、未来のナイトメイヤーの活躍を期待したい。

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