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周辺回遊のハブとなるか、大型複合施設「渋谷アクシュ」がオープン

7月8日開業、渋谷・青山をつなぐ拠点へ

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Kosuke Hori
Editorial Assistant
渋谷アクシュ
画像提供:渋谷アクシュ「シブスポット」
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2024年7月8日(月)、渋谷に新たな大型複合施設「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)」がオープンする。1〜4階は商業施設、5〜23階はオフィスで構成され、商業フロアには初出店・新業態を含む、飲食店やアートギャラリーなどの出店が決定した。

渋谷アクシュ
画像提供:渋谷アクシュ1階アトリウム

本施設が位置するのは、スクランブル交差点とは反対側の渋谷駅東口側。渋谷駅から青山方面へとつながる同エリアは、青山通りや明治通り、六本木通りという幹線道路に囲まれており、その上宮益坂をはじめとした坂が多く、周辺エリアとの円滑な回遊が難しかった。また、オフィス中心の地域ということもあり、人々が集まり、にぎわいが生まれる場所が不足しているというのが課題だった。

同施設は、「TSUNAGI-BA」をコンセプトに、渋谷2丁目の飲食ゾーンと青山の文教エリアとのつながりを生かし、渋谷を代表する「奥渋」「渋南」などのエリアに続く、「青渋」のアイコンとなることを目指す。

街歩きの動線が劇的に改善

渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori「渋谷ヒカリエ」への接続デッキ
渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori「渋谷クロスタワー」への接続デッキ

まず訪れてみて驚いたのは、街歩きの動線が明らかによくなることだ。同施設は「渋谷ヒカリエ」3階と2階部分が接続されており、雨の日でも濡れずに通行できる。そして2階のフロアからは、「渋谷クロスタワー」にも移動でき、谷地形の渋谷を高低差を感じずに移動できる。始発から終電までの5時から25時まで利用可能なのもうれしい。

渋谷駅側と青山方面側に玄関口となる広場を設置

渋谷アクシュ
画像提供:渋谷アクシュ「シブスポット」

渋谷駅側と青山側には、2つの玄関口となる広場を設置。渋谷方面の広場は「シブ(SHIBU)スポット」と名付けられ、キッチンカーの出店や、イベントを開催。大型のシースルービジョンを設置し、季節ごとのコンテンツや3Dの映像を流す予定だという。階段状になったベンチもあり、シンボルツリーとして植えられているウラジロモミは、シーズンが来たらイルミネーションを楽しめるそうだ。

Jean Jullien『The Tank』2024
Photo: Kosuke HoriJean Jullien『The Tank』2024

青山側は「アオ(AO)スポット」。同施設に現代アートギャラリーやアートバーを出店する「ナンヅカ(NANZUKA)」のパブリックアートプロジェクト「NANZUKA PUBLIC」により、行き交う人々が気軽にアートに触れられる機会を創出する。年2、3回の入れ替えを予定しており、第1弾は世界的に活躍するフランス人アーティストのジャン・ジュリアン(Jean Jullien)による『The Tank』という作品が展示されている。

アートギャラリー「ナンヅカ」が手がけるアートバー

空山基
Photo: Kosuke Hori空山基の作品が納められたテーブル

アートギャラリー「ナンヅカ」の開業は2025年を予定しているため、惜しくも今回は取材できなかったのだが、新業態のアートバー「ナンヅカ テイクン(NANZUKA TAKEN)」は、アート作品に囲まれる圧巻の空間が広がっていた。

渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Horiフランス料理店「エテ」のオーナーシェフ・庄司夏子とのコラボレーションモクテル

空山基の作品が納められたテーブルをはじめ、ギャラリー所属アーティストのアートが並ぶ。フランス料理店「エテ(été)」のオーナーシェフ・庄司夏子とコラボレーションしたモクテルは、シークワーサーのジュースと鮮やかなバタフライピーのシロップを炭酸水で割ったもの。アーティスト・田名網敬一が手がけた目玉の氷とマドラーが刺さっていて、目にも楽しかった。

葉山の人気イタリアンが東京初出店

渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori「しらすOkmペペロンチーノ」(左奥)、「葉山あたりのカルパッチョ」(右奥)、「フルッティ・ディ・マーレ」
渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori店内2階席に飾られているアート作品は「アオスポット」と連動する

葉山で人気のイタリア料理店「トラットリア ピッツェリア(TRATTORIA PIZZERIA)207」は、東京初出店。イタリアで修行したシェフによる本場仕込みの料理と、ピザ職人による本格ピザが、ワインとともに堪能できる。また、店内2階席に飾られているアート作品は、アオスポットと連動して変化していくという。

日本橋の老舗塩問屋新業態

渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori「10種の野菜スティック」(右)と卓上に用意された塩
渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori店内には当時の浮世絵が飾られている

塩・酒・肴 中井商店」は、日本橋の老舗塩問屋「中井商店」の新業態。卓上には「極みの三源 極塩」「抹茶塩」「ハーブ塩」をはじめ10種類の塩が用意され、その日の気分で選べるのがうれしい。祝い料理の「塩釜焼」や塩麹(こうじ)で味付けした鶏を紙に包んでうまみを閉じ込めたメニューなど、塩の魅力を最大限に引き出したメニューを提供する。また、店内にはレプリカではない当時の浮世絵が飾られているので、訪れた際はぜひ鑑賞してほしい。

沖縄県恩納村発のハワイアンカフェ&ダイナー

渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori「HIBACHI ミートコンボ」
渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori「ガーリックシュリンプMIX8P」

沖縄県恩納村発のハワイアンカフェ&ダイナー「ハレアイナホア(hale’aina HOA)」の2号店も、東京初出店。アイランドスタイルバーベキューを意味する「HIBACHI(ヒバチ)」のミートコンボや、ガーリックシュリンプ、ロコモコ・ポキなど、本場の味がラインアップしている。

デザートには、ハワイのローカルフードでドーナツのようなマサラダの中に、クリームなどを詰めた「マサラダパフ」を、渋谷店限定で提供する。そのほか、沖縄の本店よりアルコールのメニューも充実させるという。

渋谷アクシュ
Photo: Kosuke Hori3階の様子

そのほか、「シングル オー シブヤ(Single O Shibuya)」「タリーズコーヒー」「アンティコカフェ アルアビス(ANTICO CAFFE AL AVIS)」をはじめ、ひと休みできそうなカフェが多いのも魅力だろう。また施設内には、腰をかけて休憩できるスペースも比較的多いように感じた。

「100年に1度の大規模再開発」の真っただ中の渋谷。7月21日(日)にはJR渋谷駅新南口が新駅舎へ移転し、25日(木)には「渋谷サクラステージ(Shibuya Sakura Stage)」の本格開業が決定していることから、さらに回遊性が高まるだろう。ダイナミックに変化する渋谷の街を観測すべく、まずは渋谷アクシュに足を運ぼう。

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