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2022年10月、複合商業施設「原宿クエスト」跡地に新施設の建て替え事業がスタートした。地下2階、地上6階建ての施設で、床面積は約7800平方メートル。原宿側が低層棟、表参道側が高層棟の2棟構成となる。
物販や飲食店、オフィスなどが入居するほか、表参道から奥原宿をつなぐパサージュ(敷地内通路)や、高層棟にはテラスとルーフトップが設置される。運営は旧施設と同じくNTT都市開発が手がける。完成は2025年の春予定だ。
コンセプトは「Re: HARAJUKU CULTURE」。世界の原宿カルチャーを追求する多彩な物販店舗や飲食店を揃え、ここにしかない「もの・人・こと」との出会いを創出し、訪れる人々がさまざまなクリエーティブに触れられる刺激的な商業施設になることを目指す。高層棟にはブランドなどの旗艦店、低層棟には原宿の「スケール感に合わせた」小規模な店舗の展開を予定しているそう。
建築デザインを手がけているのは、建築設計集団OMAのパートナーである重松象平。「デュアリティ(2面性)」をコンセプトとし、フラッグシップ店舗が並ぶ表参道と、個性豊かな路面店が点在する奥原宿の境界に位置する土地の特性を生かす。
特徴的な表参道側は、垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観。パサージュを抜けた先には、奥原宿のスケール感に合わせた小さな店舗、広場、アートスケープを配置するなど、2面性を持ち合わせたデザインだ。
ランドスケープデザインは、株式会社ランドスケープ・プラスの平賀達也が担当。表参道と奥原宿をつなぐエントランスからパサージュにかけて、連続した地層をほうふつとさせる壁面が設えられている。また、施設の随所に緑豊かな植栽を行い、表参道のけやき並木や「明治神宮の杜」と呼応するような心落ち着く空間を演出する。
このほか、原宿のカルチャーやライフスタイルを体現する多様な次世代アーティストたちの取り組みにも注目だ。施設のプロモーションの第一弾として、反復された文字によって画面全体を埋め尽くすという、独自のスタイルの芸術実践を続けるアーティスト「baanai」が手がけた原宿を象徴するアート作品が展示される予定である。
2021年10月に、惜しまれつつ33年の歴史に幕を下ろした「原宿クエスト」がどのように生まれ変わるのか。今から完成が待ち遠しい。
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『原宿クエスト』
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