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最近、食材が高い。スーパーで買おうと思っていた食材に手が出なくて、泣く泣く献立を変更したことがある人もいるだろう。私たちは今、食品の価格について考えざるを得ない時に来ている。
「キッテ(KITTE)丸の内」 1階のアトリウムでは、2025年2月20日(木)から23日(日)までの期間、「値段のないスーパーマーケット ~みんなにとって「フェアな値段」を考えよう~」が開催する。自分の決めた価格で食品を実際に購入できるユニークなスーパーマーケット型イベントだ。
昨今は食品の生産・流通コストが上昇している。農林水産業や食品産業が打撃を受けていることを踏まえ、食品が私たちに届くまでにかかっているコストや手間を学び、改めてみんなにとってフェアでいい「値」を考えようという試みだ。
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キッテに入ると巨大なスーパーマーケット空間が広がっている。自分で決めた価格で食品を買うまでのステップが3つ用意されており、フローに従って体験できる。
最初のステップでは、食料供給の現状についてのポスターやムービーが展示されている。実際の農家・酪農家のインタビューや、牧場や農園の美しい映像のほか、スーパーマーケットの値付けに苦心するスタッフたちのドラマを鑑賞し、楽しみながら食品供給について学べる。
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次のステップでは、食品が陳列されている売り場ブースへ行き、食品をいくらで買うのが良いかを考える。もちろん、食品に価格はついていない。売り場にはニンジン・タマネギ・牛乳・豆腐・納豆が並び、購入したい商品を選ぶ。実際に購入しなくても値付けのみもできる。
ここでも、生産や製造、流通、小売についてのデータを展示しており、それをヒントに価格を考えるのもいいだろう。多くの来場者が、いくらにしようか悩んでいたのが印象的だ。
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最後のステップではいよいよ、レジで自分で考えた価格で実際に食品を購入する。レジに設置されたタブレットで自分の考えたフェアプライスを入力する。自分の金銭感覚を試されているかのようで、少し緊張感があるのも面白いポイントだ。レシートには商品の平均価格や実際の販売価格が印字されているので、自分が買った価格と比べてみよう。
出口にあるフォトスペースで今回の体験をSNSでシェアするのもいいだろう。ちなみに筆者は牛乳230円・豆腐100円・納豆200円・タマネギ200円・ニンジン200円と予想。
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他の人が考えた価格をチェックできるのも同イベントの醍醐味(だいごみ)だろう。掲示板コーナーではイベントの感想を書き込んだり他の人の感想を読んだりができ、参加者がイベントを一緒に作れるところも魅力だ。
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スーパーの食品を自分で値付けするというここでしかできない体験を楽しみながら、知ったことや考えたことを食品と一緒にそれぞれの日常に持ち帰ってもらいたい。
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