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エテの庄司夏子がアジアの最優秀女性シェフ賞を受賞

次世代にインスピレーションを与えるスターシェフ

Emma Steen
テキスト:
Emma Steen
Former writer, Time Out Tokyo
Été
Photo: Courtesy of Été
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予約の取れない人予気レストラン、エテ(Eté)のオーナーシェフ庄司夏子が2022年版のアジアの最優秀女性シェフ賞を受賞した。同賞は、300人以上のアカデミー会員投票により選出され、優れた美食の新たな基準とクリエーティブな女性の成功を称える機会になっている。

庄司は、ミシュラン2つ星レストランフロレリージュでスーシェフを務めた経験を持つ実力派だ。独立後は24歳でエテをオープンし、2020年には日本人女性として初めて、「アジアのベストパティシエ」の称号を獲得。若き女性スターシェフとして、世界から注目される存在になった。

Été
Photo: Été

庄司の代表作といえば、「幻のタルト」と呼ばれるフルーツタルト。黒いコフレに入ったタルトには美しくカットされた季節のフルーツが乗り、本物の宝石のようなきらめきを放つ。大切な人への気持ちをおいしく伝えたい、という人のために作られ、毎月ほんの一握りの数量だけ提供されているものだ。

庄司が目指すのは大量生産ではなく、少人数で作る季節のスペシャリティー。訪れる客、一人一人とのつながりを大切にしたいと考えているからだという。しかし、庄司の芸術作品をすべて味わいたいという人は多く、新しいスイーツを生み出すたびに、瞬く間に売り切れとなってしまう。その人気は、今では世界の食通の目にも留まるようになった。

Été
Photo: Courtesy of Été

フルーツタルトは1万4000円と高額ながら、常に予約でいっぱいだという。1日1組のみをもてなすレストランの予約はさらに難しいが、フランス料理にインスパイアされたイノベーティブな10品のメニューは一度は味わってみたいところだ。

レストランの経営という点では、庄司のアイデアは型破りかもしれない。しかし料理に対するこだわりと覚悟は、デビッド・ベッカムや村上隆といった多くの著名人に絶賛されている。庄司が手にしてきた功績は、創造性と努力が結びつけば無限の可能性をもたらす、ということを示しているからだ。

庄司はエテでのキャリアを経て、今後さらなる飛躍を遂げることだろう。料理の道を信じて突き進む彼女の姿は、次世代のシェフたちに勇気を与えてくれるに違いない。

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