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日本の映画や演劇の制作、興行、配給を手がける松竹が、メタボリズム建築を代表する黒川紀章が設計した「中銀カプセルタワービル」のカプセル2基を取得。これらを活用し、東銀座にある東劇ビルの隣接地に「シャトル(SHUTL)」として、
シャトルのコンセプトは、「伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場(ラボ)として『未来のオーセンティック』を生み出す」。東銀座エリアの新たな文化発信拠点として、現代の表現者が日本文化と改めて向き合い、自らの表現と伝統を結び付けることを目指すイベントスペースだ。新たな表現方法を模索することのできる、開かれた創造活動の実験場・ラボとして機能する。
建物内には、中銀カプセルタワービルを構成していた2基のカプセルを収納。オリジナルの内装を保持した状態のものと、内装を取り払ったスケルトンのものが設置される。そのほか2基のカプセルの間に位置する「FREEDOM SPACE」や屋外スペースのコンクリートの壁も用いて、作品展示やグッズ販売、パフォーマンス、ワークショップなど多彩な企画を行う。
10月13日(金)から2024年春にかけて、オープニング展示シリーズ「伝統のメタボリズム」が開催される。同シリーズでは、シャトルのコンセプトである「未来のオーセンティック」を体現する企画を展開。伝統という概念を問い直し、新陳代謝を促進するさまざまな表現を「言葉と文字」「様式の変容」「見立て」の3期にわたって紹介する。
第1期展示の「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」は、11月5日(日)まで開催。出展作家は、詩で活躍する最果タヒと、最果の展示デザインを手がける佐々木俊、多様なメディアを駆使したコンセプチュアルアーティストの松田将英、シャトルのロゴも担当した新進気鋭のデザイナー、三重野龍だ。
同展は、コミュニケーションやアーカイブにおける基本要素である「言葉」と「文字」の輪郭と変化に着目。他者とつながり、生活する上で不可欠な要素が、これからどのような変化を遂げていくのか、そして未来のオーセンティックとなり得る新しいコミュニケーション手段がどのように出現していくのかという問いから、現在形の「言葉」と「文字」のありようを見つめ、伝統が更新される予感を可視化する試みである。
今はなき中銀カプセルタワーの、2基のカプセルを舞台に繰り広げられる展示やイベント、ワークショップの開催が、今から待ち遠しい。 同スペースを訪れ、発信される新たな文化を体感しよう。
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