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妖怪たちが大集合、「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展」六本木で開催中

「ゲゲゲの鬼太郎」作者が描く原画や資料、コラボカフェも充実

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Nozomi Takagi
「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展」
Photo: Kisa Toyoshima
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老若男女問わず幅広い世代に愛される漫画家、水木しげる。その生誕100周年を記念した展覧会「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 〜お化けたちはこうして生まれた〜」が、2022年7月8日から六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューで開催中だ。

代表作「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する妖怪はもちろん、さまざまな妖怪たちが勢揃い。おどろおどろしくもどこかキュートな彼らを、水木はどのように生み出したのか。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
Photo: Kisa Toyoshima

巨大妖怪のARが迎える「天空の水木しげるロード」

エントランスを抜けると広がるのは、「砂かけ婆」や「河童」「キジムナー」といった妖怪たちの名前が書かれたちょうちん。そして、水木の出身地・鳥取県境港市にあるものと同じ妖怪のブロンズ像たちだ。最初のエリア「天空の水木しげるロード」では、日が暮れるとともにちょうちんの明かりがともり、荘厳な雰囲気が立ち込める。

「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展」
Photo: Kisa Toyoshima

このエリアでは、XR観光体験アプリ「ストリートミュージアム」から「AR」(拡張現実)カメラを起動すると、巨大などくろの妖怪「がしゃどくろ」が出現するしかけもある。会場内には妖怪が5体隠れているので、ARカメラであちこちを写しながら妖怪を探してみよう。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
Photo: Kisa Toyoshima

フォトジェニックなエリアはエントランスだけではない。窓の外に広がる絶景と妖怪たちを眺めながら先へ進むと、最初に出迎えてくれるのは、ゲゲゲの鬼太郎にも登場する人気の妖怪「塗壁」のオブジェ。その大きさにも驚くが、じっと眺めていると時折まばたきをするギミックにも注目だ。

「水木しげるの妖怪 百鬼夜行展」
Photo: Kisa Toyoshima
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
Photo: Kisa Toyoshima

ほかにも、展示会場内にはさまざまな妖怪を忠実に再現したオブジェが随所に配置されているので、「実際に街中や森の中で出会ったら……」という想像を膨らませながら鑑賞してほしい。

妖怪たちを生み出すアイデアの数々

この展覧会では水木の生い立ちから、幼少期に彼がお化けや怪異に興味を持つきっかけとなった「のんのんばあ」との出会い、そして水木が妖怪を描く上でアイデアの元となった古書の数々が紹介されている。中には彼自身が古書店街で購入した貴重な文献も。ページにメモ書きやけい線が引かれている資料もあり、水木が熟読した痕跡も確認できる。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
Photo: Kisa Toyoshima

晩年までに1000点近くの妖怪を描いたという水木。ビジュアルの参考となったのは、先述した書籍の情報だけではなく、江戸時代の浮世絵からアフリカの工芸品までさまざまだ。浮世絵で描かれている妖怪を忠実に模写した妖怪を見ると、彼がただの漫画家ではなく、古くから伝わる「妖怪画」を現代によみがえらせる役割を担っていたことがうかがえる。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
Photo: Kisa Toyoshima

終盤では、コロナ禍で一躍有名になった疫病封じの妖怪「アマビエ」をはじめ、水木が描いた数多くの妖怪画を一気に鑑賞できるエリアも。文字通りの「百鬼夜行」を堪能し、気付けば妖怪の魅力に取りつかれてしまうこと間違いなしだ。

会場隣のカフェでは期間限定のコラボメニューも

会場内では、展覧会限定のグッズを購入できる特設ショップも設置。禍々(まがまが)しいデザインのものから、妖怪のかわいらしさを押し出したグッズまで、さまざまなアイテムが用意されている。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
「小豆洗いのたらいショートケーキ」(1,350円、全て税込み)
水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
「深大寺のすき焼きパーティー定食」(1,600円)(Photo: Kisa Toyoshima)

また、会場隣ではコラボレーションカフェ「妖怪の森Cafe」も期間限定でオープン。「小豆洗い」や「キジムナー」「ねこ娘」など、来場者が展覧会でも遭遇したであろう妖怪たちをモチーフにしたフードやドリンクを楽しめる。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
「キジムナーのマンゴーかき氷」(1,380円)

妖怪は人間の空想によって生み出された存在。しかし水木がたどった膨大な資料、そしてそれによって生み出された精巧な妖怪画の数々と対峙(たいじ)するうちに「本当は実在したのではないか」と思えてくる。

水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 お化けたちはこうして生まれた
Photo: Kisa Toyoshima

夏の風物詩といえば、怪談や肝試し。現代に蘇った「百鬼夜行」の世界に触れ、ヒヤッと背筋の凍る思いを体験しながら暑さを乗り切るのも乙である。ぜひ、日が落ちてから訪れてみてほしい。

©水木プロダクション

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