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設計は隈研吾、南三陸町震災伝承施設「南三陸311メモリアル」が今秋オープン

南三陸町志津川地区に開設、東日本大震災の犠牲者追悼と教育施設としての役割も

Emma Steen
テキスト:
Emma Steen
翻訳::
Genya Aoki
Minamisanriku 311 Memorial
Photo: Minamisanriku Town Tourism Association
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2022年3月11日、東日本大震災から11年がたった。総務省消防庁の最新発表によると、死亡者の数は2021年と比較して12人増え、合わせて1万9759人。行方不明者は2553人と、震災による被害や影響は現在も収まっていないことが見てとれる。損壊した建物の修復も依然進められている。

津波で大きな被害を受けた宮城県南三陸町では、犠牲者を追悼し、将来にわたって自然災害から人々を守るため、2022年10月に南三陸311メモリアルを開設する予定だ。同施設は鉄骨造一部2階建てで、延べ床面積約1400平方メートルの建物。設計は建築家、隈研吾が手がける。さらに、川向こうにある震災祈念公園に渡る中橋や、隣接する南三陸さんさん商店街の再建も隈が設計を担当する。

Minamisanriku 311 Memorial
Photo: Minamisanriku Town Tourism Association

館内には「災害の記憶と教訓を伝えること」を目的に、震災で失われた品々や遺品、震災後の写真集などを展示。フランスの彫刻家クリスチャン・ボルタンスキーによるアートインスタレーションも展開予定だ。

このほか、震災を「自分ごと」として考えるためのラーニングプログラム(45〜60分程度)も用意。震災時のケーススタディーの視聴や、参加者で意見交換するプログラムなどが体験できる。

最大100人の団体受け入れが可能なことから、南三陸町観光協会では同施設での学校や企業による救急救命講習の実施なども期待している。改めて震災での犠牲者への追悼を捧げ、防災意識を高める貴重な施設となりそうだ。

原文はこちら

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