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地域の生産者、加工業者らと都市生活者が交流し、食産業の新たな価値を生み出す「めぐるめくプロジェクト」が始動。その記者発表会が9月29日、大手町で行われた。
発起人である三菱地所は、丸の内エリアに26階建てのビルを建設しており、完成は2025年を見込んでいる。2~4階には産業支援施設を開設し、食や農に携わる企業や地域の生産者、加工業者のコミュニティーの場として活用する予定だ。同プロジェクトはこの施設のオープンに先立ち、日本の地域活性化を目指していく。
経済合理性の追求に伴い、生活者と生産者の分断も顕著になりつつある昨今。さらに食糧自給率やフードロス、就農者の減少など日本の食と農業にはさまざまな課題が存在している。
一方で食の生産や加工を通じて、地域を元気にしたいという新たな活動を行う人や企業も多い。このような事業者を獲得し、支援するための食農共創拠点も全国に生まれつつあるという。
同プロジェクトはこのような動きに着目。食の生産・加工を「タベモノヅクリ(食べ物+モノづくりの造語)」と定義し、都市生活者がタベモノヅクリに触れ合う機会の提供や地域の事業者とのネットワーク形成に取り組む。さらに地域の生産者の活動をサポートするプログラムやイベントの運営も行う。
三菱地所の広瀬拓哉は「当社ではこれまでも食と農に関するさまざまな試みを推進しており、その中で生産加工を担う地域との関係作りに課題感を持っていました。今回の活動で多様な交流の場や仕掛けを作っていきたいです」と話す
同プロジェクトには三菱地所以外に、ロフトワーク、シグマクシス、70seedsの3社が参画。共創プログラムの開発やネットワークの構築などを担っていく。
記者発表会では、地域食農拠点として宮崎と奈良の2県の担当者らが登壇。地域の特産物や取り組みが紹介された。宮崎市農政部農政企画課の増元幹治は「宮崎県は野菜や果物の一大産地。食と農と通じて東京の中心とつながれるのは大変うれしいこと。今後の盛り上がりに期待したい」と意気込んだ。
同日には、キックオフイベントとして、都市生活者と地域の共創型交流会「めぐるめ倶楽部」も実施。宮崎の鮮魚卸売り専門店「九州築地」を含む2団体が参加し、生活者が生産者の思いを肌で感じられる場だ。同イベントは今後も定期的な開催を予定し、都市生活者と地域のコミュニティー活動へと発展させていく。
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