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大阪が「スパイスカレーの街」と言われるずっと前、カレーや「マドラス」は1988年に大阪の日本橋で創業した。30種類のスパイスと4種類のフルーツを1週間かけてじっくりと煮込み、口に含んだ時のフルーティな甘さと、後から来る刺激的な辛さが特徴だ。
軽いとろみのある、家庭のカレーのような味わいは、どこか懐かしく、吉本興業の芸人など多くの著名人にも愛されており、俳優の北村一輝もその一人。大阪出身の北村は若いころから同店のカレーのファンで、デビュー後も仕事で大阪に行くたびに足を運び、東京への出店を切望していたという。
その結果、自身がオーナーを務めることとなり、2019年4月に赤坂に大阪マドラスカレー赤坂店をオープン、さらに2021年4月には、下北沢に大阪マドラス22号店、吉祥寺に大阪マドラス123号を立て続けにオープンした。
今回訪問した大阪マドラス22号店は、北村の旧知の美術スタッフが手がけ、ポップな印象を与える。マドラスカレーおなじみのインド人風のキャラクターが店頭だけでなく、トイレでも出迎えてくれる。カレーは伝統の『大阪マドラスカレー』(880円から)1種類のみで、口に含むと「甘い」と思った瞬間、同時に独特の辛味が押し寄せてくる。デフォルトでカレーのセンターに鎮座する生卵は、一気に混ぜても良し、少しずつ絡めても良し。
トッピングは、ルーと相性の良いものを厳選し、サクサクの『カツ』は250円と破格といっていい。『チーズ』(165円)、『からあげ』(220円)なども人気だ。
また、大阪マドラス22号店限定で、『キャロットラペ』(350円)と沖縄伝統の『イナムルチ』(440円)を提供している。『イナムルチ』は「沖縄の豚汁」ともいわれており、北村の沖縄出身の祖母の味を再現したものだ。ちなみに、「22号店」や吉祥寺の「123号店」という支店名には特に意味はなく、独特の茶目っ気を発揮している。
下北沢と吉祥寺の2店舗では、大阪出身者にはなじみの深い3種のドリンク『ミックスジュース』『ミルクセーキ』『冷やしあめ』(各400円)も販売。
『ミックスジュース』は大阪のソウルドリンクをアレンジしたもの。『ミルクセーキ』は、大阪では子どものころから飲まれているというミルクセーキを最後の一滴まで飲めるようにオリジナルの工夫を施し、『冷やしあめ』は水飴のやわらかな甘みと、生姜のさわやかさが絶妙にマッチする逸品に仕上がっている。お試し感覚で楽しめる、リーズナブルな値段もうれしい。
どこか懐かしく、著名人からも愛されるカレーを味わいに訪れてみてはいかがだろう。
テキスト:長谷川あや
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