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バニラアイスの概念が変わる、究極のシューアイスが渋谷に登場

6月12日から期間限定、マダガスカルの「アグロフォレストリバニラ」とは

テキスト:
Shiori Kotaki
マダガスカルバニラのシューアイス
Photo: TRANSIT GENERAL OFIICE
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渋谷駅東口地下広場に店を構えるアップライトカフェに併設されたベイクブランド、パフズ(PUFFZ)では、マダガスカルの「アグロフォレストリバニラ」を使った『マダガスカルバニラのシューアイス』を2021年6月12日(土)から8月31日(火)の期間限定で提供する。

アグロフォレストリバニラとは?

「アグロフォレストリバニラ」とは、「アグロフォレストリー」という場所で育ったバニラのこと。アグロフォレストリーは、農業(Agriculture)と林業(Forestry)を組み合わせて作られた言葉で、一つの土地に多種多様な植物を植えるのが特徴の農園だ。日本の農園とは違ってまるで森のような空間で、足元には背の低いパイナップルやレモングラスがあり、その上にはコーヒーやバニラ、さらにその上にはライチやシナモン、アボカドが育っているといった具合に、さまざまな植物が茂っているのだという。

マダガスカルバニラのシューアイス
アグロフォレストリーの様子(Photo: TRANSIT GENERAL OFIICE)

アグロフォレストリーという農法には数々のメリットがあり、肥料や農薬を使わずに作物が育つというのもその一つ。これは、肥料を与えなくても森の植物が自然とすくすく育つのと同じような原理で、微生物や落ち葉などが栄養となり、木々が豊かに実るのだそうだ。また、複数の作物を一緒に育てることで一年中何かしら収穫できるので、農家の収入を安定させるという働きもある。

今回の『マダガスカルバニラのシューアイス』に用いられる「アグロフォレストリバニラ」を取り扱うのは、バニラの輸入や販売を行う合同会社Co・En Corporation。観光で訪れたマダガスカルの森のようなバニラ農園に一目ぼれしたことをきっかけに、自然の力で育ったバニラを日本に紹介することになったという最高経営責任者(CEO)の武末克久が掲げるのは、「高品質であること」「農薬や肥料は使わず自然の恵を最大に生かして育てられていること」「生産者の顔が見えること」という3つのこだわりだ。

なかでも、「高品質であること」を第一の条件としており、今回はクリーミーな香りが印象的な「アグロフォレストリバニラ」の品質の高さをシューアイスという形で我々に届ける。

王道だからこそバニラという食材の面白さを追求

そして、その要となるアイスクリームを手がけたのが、2011年創業のハンドクラフトアイスクリームブランド、ハンデルスベーゲン(HANDELS VÄGEN)だ。ハンデルスベーゲンを運営するフレックス株式会社飲食事業部長の中野たいじは、このバニラの印象について「バニラが持つ香りの強さとフレッシュさがとても印象的だった。このバニラを余すことなく使いたいと思った」と話す。

シューアイスが提供される際、ミルで粉状に引いたバニラのさやをスタッフが振りかけてくれるのだが、これは「バニラを余すことなく使いたい」という視点から生まれたアイデア。用いられるのは、アイスクリームを作る際に牛乳で煮たさやを乾燥させたもので、目の前で振りかけられるという視覚的楽しさはもちろん、ふわっとバニラの香りが漂うのにも心が高まる。

北海道産の生乳、生クリーム、卵黄と、沖縄県産の黒糖という、シンプルながらも厳選された素材のみで作られたバニラアイスは、これまでの概念を覆すような繊細さ。また、手間を一切惜しまないというのが「濃厚なのに後味さっぱり」という味わいを実現させるこつだそうで、例えば「アグロフォレストリバニラ」ならではの芳醇(ほうじゅん)な香りを少しでも逃さないために、バニラのさやは時間をかけて牛乳で煮出し、さらに一晩寝かせることで、生乳に華やかなバニラの香りを移している。きっと誰もがバニラアイスという食べ物を再発見することになるだろう。

空気含有量がポイント、見た目に反して食べやすい

もう一つ驚いたのが、手をベトベトに汚さずに食べ切れたということだ。果物がごろっと入ったフルーツサンドや、「断面萌え」なんて言葉で話題になった具材たっぷりのサンドイッチなど、この手のものにはどうしても「食べにくいのでは」という心配がつきまとう。しかし、『マダガスカルバニラのシューアイス』は、アイスクリームが溶けて大惨事になることもなく、最後の一口までおいしく食べることができた。

これは単なる偶然ではなく、アイスクリームに含まれる空気含有量が大きく関わっている。アイスクリームは、空気含有量が多いほどさらっとして溶けやすく、少ないほどねっとりとして溶けにくくなるそうで、ソフトクリームのような軽やかなものは、その約半分が空気なのだという。『マダガスカルバニラのシューアイス』のアイスクリームは、含まれる空気の量が一般的なアイスクリームの半分ほどのため、粘度が強く、溶けにくいアイスクリームというわけだ。ただし、決して「溶けないアイス」というものは存在しない。撮影タイムはほどほどに、早めに食べ切ることをおすすめする。

マダガスカルバニラのシューアイス
手前にあるのがバニラのさや。中にある種は焼き芋のような味がするそうだ(Photo: TRANSIT GENERAL OFIICE)

『マダガスカルバニラのシューアイス』は、渋谷のパフズを皮切りに、名古屋のビストロカフェ、ザ フラワーテーブルや、大阪のオールデイコーヒー、福岡のステレオ コーヒーで順次提供される(提供期間は店舗により異なる)。また、本企画を手がけるトランジットジェネラルオフィスによると、今冬や来夏にはバージョンアップした「アグロフォレストリバニラ」商品の展開も構想しているそう。今年の夏は『マダガスカルバニラのシューアイス』でひんやりし、今後、さらに「アグロフォレストリバニラ」の魅力を発見できる機会が訪れることを楽しみにしたい。

『マダガスカルバニラのシューアイス』の詳しい情報はこちら

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