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フランスのプロヴァンス地方の都市であるアルルは、2つのことで知られている。芸術(ゴッホはこの街で200枚の絵を描いた)と、ユネスコの世界遺産に登録されている広大な円形劇場をはじめ、保存状態の良いローマ時代の建造物が数多く残っていることだ。
2021年6月下旬、この街に新しい文化施設がオープンした。場所は、コレクターのマーヤ・ホフマンが2013年に設立したアートセンター、LUMA Arlesの敷地内。アルルの2つ文化遺産に敬意を表し、7年間をかけてこの大きな建物を作ったのは、カナダ系アメリカ人の著名な建築家、フランク・ゲーリーだ。
この建物の設計に当たりゲーリーは、ゴッホがこの街で描いた『星降る夜』と、街の北東に位置するアルピーユ山脈からインスピレーションを得たという。建物の下部には、歴史的建造物からの影響も見られる。このガラス張り部分は、ローマ時代の円形劇場のデザインを参考したそうだ。
高さ56メートルの建物を覆うのは、1万1000枚ものステンレスパネル。不規則に配置されたこれらのパネルは、太陽の光を反射して美しいきらめきを見せる。建物内には、展示スペース、オフィス、教室、アーカイブ室、図書館、アーティストアトリエ、カフェなどが入る。
この新しく豪華なアート空間は、建築ファンの間では完成前から注目を集めていたが、一般公開が始まったことで、アルルの新たな魅力となることが期待されている。アートが好きで、南フランスへ旅行するのであればぜひ訪れたい建物だ。
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