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ものづくりの文化が息づき、下町の雰囲気を残しつつもクリエーティブなショップや感度の高いカフェが軒を連ねる街、蔵前。そんなエリアに2021年7月31日オープン後、瞬く間に口コミで話題となったグローサリーショップがマークト(Marked)だ。店頭には自家製のパンや出来たてのアイスクリーム、グローサリーが並び、併設のカフェでは、作り手の誠意や工夫を感じる厳選食材を使用したメニューを味わうことができる。
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ワット(WAT)社が手がける同店は、コーヒー・ライツなど近隣で営むカフェでの経験をもとに「生産者と食材、それを受け取る街の人が循環するような場を作りたい」という思いから立ち上がったコミュニティーマーケット。かつておもちゃ問屋だった建物をリノベーションし、1階にはカフェとグローサリー、2階にはパン工房、3階にはアイスクリーム工房を設けた。
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グローサリーでは、「おいしい」の背景に確かな理由と物語があるものを扱うことを徹底。生産者のこだわりが感じられる食品、環境に配慮した日用品を販売している。ダンデライオン・チョコレートやコーヒー・ライツのコーヒーなど、近隣店舗の食材がずらりとそろうところも魅力の一つ。
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カフェで一息つくなら、『サンドイッチ&サラダデリプレート』をオーダーしてみよう。ラタトゥイユ、ハーブアンチョビポテトをはじめとするデリに加え、『ローストポークとグリュイエールチーズ、自家製トマトのサンドイッチ』や『グリル野菜とハーブチキンのサンドイッチ』など、5種から選べる華やかなサンドイッチを食せば心弾むこと間違いなし。
パンは有名店、パーラー江古田が監修。野菜は無農薬、肥料不使用の北海道佐々木ファームのものを使用するなど、随所にこだわりが感じられる。
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デザートは、常時6種類展開している手作りのアイスクリームがおすすめ。自然栽培で育てられたスイートコーンを使用した『焦がし醤油の焼きとうもろこし』は、素材のおいしさを生かした、つぶつぶとした食感と優しい甘みが癖になる逸品だ。
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さらに、自然災害などで落下してしまい販売できなくなったフルーツなどを買い取り、材料へと活用するなどフードロス削減に配慮。アイスを起点に食の循環を生んでいる点にも注目したい。
生産者の仕事が光る商品を販売していくほか、生産者を呼んで、客とのトークセッションを行うイベントや、旬の野菜を味わうデリ&サラダワークショップを開催するなど、マークトではこれからも作り手と地域の人々をつなぎ、循環させる取り組みを積極的に行っていく。
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思いが込められた良質な商品を探し出し、地域へ届けること。自らが良いものを生み出し、発信すること。そのどちらにもこだわり続けるマークト。人々が自然と集いたくなる新しいマーケットの今後が楽しみで仕方ない。
テキスト:中村友美
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