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高円寺の銭湯、小杉湯が、文化庁の定める登録有形文化財に登録された。登録有形文化財建造物とは、50年を経過した歴史的建造物の中から地域の財産として届出制で登録し、保存が図られる制度のこと。町の老舗銭湯として地元住民をはじめ、銭湯ファンにも喜ばしい判断となった。
東京の銭湯の歴史を伝える建築様式
小杉湯の玄関外壁を飾る『布目湿式施釉タイル』は、昭和初期によく用いられていた浴場建築。建物は木造一部2階建て、玄関の唐破風(からはふ)と大屋根の千鳥破風(ちどりはふ)は、東京にある銭湯の伝統的なスタイルだという。
昭和8年に建てられた小杉湯の建造物が登録有形文化財に登録されました。
— 小杉湯 🐣高円寺の銭湯 (@kosugiyu) January 8, 2021
「50年後も、100年後もこの建造物を壊すことなく続けていく。」
その覚悟を形にして、意志を未来に繋いでいくために申請をしました。「貴重な国民的財産」として、皆様と共にこの歴史的建造物を守っていきたいと思っています。 pic.twitter.com/EX9NQanTwq
昭和8年に建設、いつの時代も人々が集う場に
浴室内にも注目したい。男湯、女湯それぞれの壁に描かれた鮮やかな富士山のペンキ絵は、日本に3人しかいない銭湯背景絵師の丸山清人によるものだ。また2020年3月には、小杉湯に隣接して「銭湯のあるくらし」を実現する3階建ての新施設、小杉湯となりがオープンした。ここでは、小杉湯で入浴した後、湯上がりの休憩場としてゆったりとくつろぐことができる。
高円寺に訪れた際は、銭湯がつむぐ文化に触れてみよう。
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