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「家系」をクリーミーな味わいに昇華した、小池系列の新店「こいけのいえけい」が2022年10月10日オープンした。巣鴨の住宅街に位置する同店は、小池系列の6店舗目に当たる。小池系列は、バンド活動を経て靴職人の専門学校に入学後、居酒屋「鳥貴族」の店長やラーメンを経験し独立という異色の経歴を持つ、代表の水原裕満が手がけるラーメングループだ。
2013年に上北沢に「つけめん小池」を創業(翌年にはらぁめん小池にリニューアル)。雑味をとことん省いた上品なうま味の煮干し系ラーメンが好評を博し、その後も続々と系列店をオープン。「ミシュランガイド東京」では、「らぁめん小池」は7年連続、「中華蕎麦にし乃」は4年連続、「キング製麺」は2年連続ビブグルマンを獲得している。
透明感のあるスープがその代名詞でもあった小池系列だが、新店はその真逆の方向性とも捉えられる家系ラーメンを主役に据えた、グループ初となる「家系ラーメン」の店舗となる。
小池系列が生み出す「新しい家系」
看板商品は「豚骨醤油ラーメン」(並盛り850円、大盛り950円、以下全て)。らぁめん小池で2018年から不定期限定メニューとして提供され、ファンやスタッフの間で人気を博していたメニューをレギュラー化し、新たに店舗を構えたというわけだ。ちなみに水原は横浜生まれ横浜育ち。ラーメンといえば、家系が当たり前だったという。
「豚骨醤油ラーメン」のスープのベースは豚骨と鶏がら。3日間かけてコトコトと煮込んだスープを丁寧に目の細かいざるでこして雑味を取り除き、豚骨特有のこってりさを洗練されたクリーミーな味わいに昇華した。家系らしいパンチのある濃厚さの中にも、家系ラーメン特有の豚骨の臭みはほとんどなく、緻密さと上品さを感じられる仕上がりとなっている。
麺は、姉妹店のキング製麺で仕込んだ中太麺。とろりとした食感を出すため、あえて中力粉を多くブレンドしているという。トッピングには、チャーシュー、ホウレンソウ、ネギ、のり、タマネギというラインアップ。生のタマネギが、濃厚でとろみのあるスープの箸休めとなる。好みで、ニンニクを付け加えることも可能だ。
小池系列ではおなじみの真空低温調理でしっとり仕上げたチャーシューは、脂身の少ないあっさり系でありながら、うま味が凝縮。罪悪感なく食べられるのがうれしい。程よく塩味のあるスープは「白米」(150円、ハーフ100円)との相性も良く、のりとスモークチャーシューで白米を巻いて食べるのもおすすめだとか。そもそも家系のスープは白米と相性が抜群なので、「白米の友」が充実しているのも同店の特徴だ。
「うちのスタッフは、ラーメンを食べる時、麺を半分にしても、白米を大盛りでオーダーする人が多いんです」とは水原の弁。たしかに、卓上調味料やオプションメニューからは、水原の白米への愛情をひしひしと感じることができる。
テーブルの上には、「白米が進むタレ」「マヨネーズ」「ニンニク醤油漬(白米専用)」などの調味料が用意されていた。らぁめん小池の人気メニューである「マヨチャーシューご飯」が自作できるというわけだ。
白米専用トッピングのオプションとして、「コロコロチャーシュー」(50円)も用意されている。ごま油、ニンニク、黒こしょうであえた「味付きネギ」(100円)は、麺と一緒に食べるのはもちろん、ネギ丼にするのもおすすめ。そこにマヨネーズやスープを加えるのもいいかもしれない……といった感じで、夢は無限に広がっていく。
清潔感あふれる店内も印象的だ。「床がべとべとしているラーメン屋にはしたくない」(水原)と、客席と調理場とで別の履物を使うことを徹底している。 パンチのきいた家系でありながら、上品さと食べやすさを実現し、さらに小池系列らしさを感じる「豚骨醤油ラーメン」。ぜひ白米とともに味わいたい。
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