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安藤忠雄の初期教会建築「風の教会」で宮永愛子が新作を発表

「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」が8月24日に開幕

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Time Out Tokyo Editors
神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond
画像提供:阪神電気鉄道株式会社
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毎年、秋の神戸・六甲山上で開催される現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート」。2010年のスタート以降、15回目を数える今年も「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」と題して、来る2024年8月24日(土)に開幕する。

昨年に引き続き参加がアナウンスされている髙橋匡太(たかはし・きょうた)や船井美佐、開発好明(かいはつ・よしあき)らのほか、川俣正や金氏徹平など、多くのアーティストが今年も出展する。その中でも、ガラスや塩、ナフタリンなどを使った作品で人気を博す美術作家の宮永愛子が、「風の教会」の愛称で知られる安藤忠雄建築を会場に新作を発表するとあって、さらなる注目が集まっている。

風の教会は、「六甲オリエンタルホテル」の敷地内に1986年に建てられた教会で、大阪府茨木市の「光の教会」・北海道占冠村の「水の教会」とともに並び称される安藤の「教会3部作」の中でも最も初期の教会建築だ。ホテルの閉業に伴い通常時は閉鎖されており、芸術祭の開催期間のみの限定公開となるため、現代アート好きのみならず建築好きにとっても期待の高まるイベントとなっている。

2020年に第70回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した宮永は、今最も注目度の高いアーティストの一人だ。2023年には、「森美術館」での展覧会「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」への参加のほか、富山県の「富山市ガラス美術館」での個展「宮永愛子 詩を包む」開催でも話題を集めた。

神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond
画像提供:阪神電気鉄道株式会社

「宮永愛子 詩を包む」で発表された新作『詩を包む』は、開催場所である富山の地で集めた木の葉や貝殻などに、高熱によって融解させたガラスをかけて閉じ込めた、まさに詩的な作品。今回の新作も神戸でのリサーチを生かしたものになるとのことなので、豊かな時間の痕跡を感じさせるような宮永らしい作品を期待したい。

「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」は8月24日(土)〜11月24日(日)の日程で、「ROKKO森の音ミュージアム」「六甲高山植物園」「六甲ガーデンテラス」エリアなど、さまざまな会場で開催される(一部会場は有料)。関連イベントなども多数用意されているので、六甲山の散策とともに芸術の秋を楽しんでみては。

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