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2022年に無期限活動休止したサイケデリックロックバンド・幾何学模様のツアーポスター展が、小伝馬町の「ツバメスタジオ」で開催中だ。ツバメスタジオのオーナー君島結は幾何学模様のREC/PAとして長らく携わっており、本展はバンドと君島の深い関係性によって実現したものである(ちなみに企画・発案は、パートナーでありギャラリーのマネジメントを務める君島響だ)。
ツバメスタジオは、3階がギャラリー、4階がレコーディングスタジオになっているのだが、業者を入れずに友人知人らと作り上げたという内装は独特のあたたかみと気配りマインドに満ちている。ひとことでいってめっちゃかっけえ。そもそも場所がかっけえ。そのかっけえギャラリーの記念すべきオープニングが本展なんである。
視神経がよろこぶ
さて幾何学模様といえば名実ともにワールドクラスのロックバンドだが、その音楽のみならずアートワークも高い評価を受けている。日本のバンドのツアーポスターというのはだいたい、アー写がメーンで日時と会場名が列挙されているだけのものが多いが、本展に並ぶ40点余のポスターはどれもひじょうにデザイン性が高い。
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色彩豊かでイマジネーティヴ、眺めていると視神経が喜んでいるのが自分でわかるくらいすばらしい。幾何学模様のポスターは物販でも飛ぶように売れていたそうで、PJハーヴェイなどが出演する超大規模な海外フェスでも売上トップを記録したというが蓋し納得である。
世界各国の幾何学模様
左右の壁面で展開されているのは、メンバーの中でもアートに造詣が深いというギター・ボーカルのTomo KatsuradaがSNSで見つけたアーティストに依頼して制作されたものだそうで、ブエノスアイレスやパリやニューヨーク、タイ、インドネシアなど世界各地のアーティストとのコラボレートが楽しめる。
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奥の壁面にはツアーの中の一会場をフォーカスしたポスターを展示。こちらは先ほどと違い、アメリカやヨーロッパなど各地のプロモーターが、その地域に住むローカルのアーティストに依頼して制作されたもの。つまりはバンドサイドがノータッチの作品なわけだが、そのぶんよりヴァラエティに富んでいる。それでいて奥底にある質感というか、作品から漂うムードには不思議な統一感がある。
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これはプロモーターやアーティストの慧眼ももちろんだが、幾何学模様がある種のイメージを想起させる、ヴィジョナリーな音楽性を堅持していた証左でもあると思う。
物販とBGMのヤバさ
充実した物販も見どころの一つだ。過去作のポスターや手巻きタバコ用のペーパーは時すでに遅し、完売(ラス1は僕が買った。残念だったな!)。大竹彩子が手がけた本展のメインビジュアルとなるポスターや、大竹笙子がデザインした本展オリジナルのトートバッグはここでしか購入できない逸品である。
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会場で流れている音楽も実にナイスだ。Tomoが選曲した17時間超えのプレイリストは幾何学模様の楽曲のみならず、アシッドフォークやハードバップ、イタロディスコなど幅広いジャンルがマウントされているのだが、これがまた良い曲ばっかりなんでShazamが止まらねェ。
すばらしき絵の中ですばらしき音楽に触れる
展示期間中はバンドメンバーや、彼らが立ち上げたレーベル・GURUGURU BRAINからリリースしている音楽家などによるライヴイヴェントも行われる。僕はシタール奏者のRyu Kurosawaと森脇ひとみのライヴを鑑賞したのだが、どちらも大変すばらしかった。
どこをとってもイケまくりの本展は2023年6月10日(土)まで。幾何学模様ファンはもちろんのこと、バンドを知らずとも、アートやカルチャーに興味がある方は行って損なし。損なしっていうか得する。マジで絶対行ったほうがいい。
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そして最後に手前味噌になるが、実はツバメスタジオの設営は僕もお手伝いさせていただいていて、3階のトイレの漆喰などは僕がまごころ込めて塗ったものである。だもんでオープンしたばかりだというのに個人的にはすでに思い出しかない場所なのだが、これからもさらなるたくさんの思い出が塗り重ねられてゆくことを願って。
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