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2021年10月1日(金)、兼六園や金沢21世紀美術館に程近い香林坊にブティックホテル香林居(こうりんきょ)がオープン。地下1階、地上10階建で、18客室のほかレストラン、ショップ、「ルーフトップサウナ&バス」、光や音が遮断されたメディテーションルームである「アイソレーションタンク」を備える。
建物は、九谷焼をはじめとする世界の工芸品を扱うギャラリーである眞美堂(しんびどう)のビルをリノベーション。元の建築にある特徴的な意匠のアーチをモチーフにした内装と空間演出が施されている。「新しい金沢時間を処方する」をコンセプトに、自然、文化、歴史といった地域の資源が溶け合った東洋世界における美の在り方や、それらの処方を試みる宿泊空間だ。
同ホテルには「ならでは」の試みがいくつもあるが、まず注目すべきは1階に併設している蒸留設備だろう。白山の水と森林素材を使用した精油の精製を行い、精製の過程で生じた芳香蒸留水は「ルーフトップサウナ&バス」のロウリュや客室のリフレッシャーにも活用。ショップで販売も行う。今後、小型蒸留機を使った蒸留体験も実施していく予定。また、ショップにて販売している独自ブランド『Petricol(ペトリコール)』のシャンプーやトリートメントなどのアメニティー製品は各部屋に備えつけられている。
客室内ミニバーおよびショップでは、白山のクロモジを原材料に使用した蒸留酒『オー・ド・ヴィー』も展開。mitosaya薬草園蒸留所と共同開発したもので、爽やかで透明感のある香りが特徴の香林居オリジナル製品である。
ぜひ体験してほしいのは、10階にある「ルーフトップサウナ&バス」。蒸溜機から抽出された芳香蒸留水を使った本格ロウリュが楽しめるほか、外気浴では金沢の森や空を眺めながら、その土地ならではの空気を肌で感じられる。
また、1階奥にある「アイソレーションタンク」はタンク内に水をたたえ、光や音が遮断された空間で浮遊する深い瞑想(めいそう)状態を体験できる部屋。外界との全てを断ち、自分の肉体や精神と対話することで、最上の癒やしに誘われるだろう。いずれも、予約すれば宿泊者以外も利用できる。
レストランkarchは、リノベーション以前から印象的な存在だった半地下空間でタイワニーズ・キュイジーヌを満喫できる。プロデュースは、金沢を拠点に台湾料理店、四知堂kanazawa(スーチータンカナザワ)や、アンティークショップのスクロ(SKLO)を運営している塚本美樹が手がける。
塚本は客室内に設置する日用品の監修も行っており、世界各地のビンテージ品からモダンプロダクトに至るまでさまざまな美品をキュレーションしている。ホテルの制服と館内着は、『JIL SANDER』のウィメンズデザインチームに所属した経験を持つ『HARUNOBUMURATA』デザイナーの村田晴信が担当。ホテルのテーマの一つでもある「ユートピア」という言葉から着想したデザインだそう。
9月17日にプレオープンし、早くもホテル好きの間で話題となっている注目施設をぜひ体験してみよう。
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