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2021年11月1日、日本酒ブームの火付け役となった日本酒バル青二才がユニークな新店、角打ち割烹 三才を中野にオープンした。オーセンティックな割烹(かっぽう)とは異なる「新たな日本酒体験ができる場所」を目指し、同店ではだしをベースに遊び心あふれる料理を展開。ドリンクは2勺(しゃく=36ミリリットル)から楽しめる多彩な日本酒のほか、ビール、サワー類などをそろえた。店内にはカジュアルに飲める「角打ち席」と、本格派のコースが味わえる「割烹席」の2種の席を展開している。
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店に足を踏み入れると、目の前に広がるのは色鮮やかな日本酒が並んだ「角打ち席」。青二才が大切にしてきた「日本酒をもっとカジュアルに」というモットーを受け継ぎ、肩肘張らずにアラカルト料理が楽しめるエリアとなっている。
棚には、全国にある12の酒蔵と協力して作られたオリジナルブランドである「ワックスアンドウェイン」の日本酒たちが40種以上が並ぶ。瓶を彩るタイダイ柄の手ぬぐいは、染め職人のユキダイが手がけ、一つ一つ酒の味や蔵元の人柄、立地などをイメージしたデザインになっているというから面白い。
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同ブランドはコロナ渦で酒の出荷量が減った2020年、これまで自分から日本酒を選ばなかった人にも日本酒に触れてもらいたいという思いから、日本酒文化応援プロジェクトの中で誕生した。ここでしか飲めない限定酒が試飲できるほか、贈り物としても人気を呼んでいる。
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奥に進むと、8〜10品の料理とペアリングの日本酒をセットにした『割烹ペアリングコース』が味わえる「割烹席」が現れる。シェフの手さばきを目の前で楽しみながら、ペアリングセットを堪能できるのはこの席ならでは。「角打ち席」とは異なる上質な雰囲気が漂う空間である。
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ここでは特別に、「角打ち席」でも「割烹席」でも食べられるいちおしメニューとオーナーおすすめのペアリングを4つほど紹介する。
まず、前菜で必見なのが『大山鶏のシュークリーム』だ。パリッとした自家製のシュー生地には黒コショウをブレンド。中にはディプロマットクリームと低温調理した大山鶏の胸肉を挟み、癖になる味わいに仕上げている。日本酒は『賀茂金秀』をオーダー。濃厚なクリームをきれいな酸がスッと包みこみ、最後にキレの良い余韻が残ること間違いなしだ。
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華やかな見た目ながらほっとする味わいの『季節野菜のゼリー寄せ』も注目の前菜メニュー。10種の野菜を本枯かつお節と利尻のコンブだしのゼリーに閉じ込め、優しい風味に仕上げている。ペアリングするなら上品な酸味と爽やかなミネラル感が特徴的な『新政』の中でも個性派といわれる『亜麻猫』がおすすめ。白ワインのような酸味が料理にマッチする。
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メイン料理で注目したいのは、変わり種の『泡で食べる肉じゃが』。牛肉、ニンジン、ダイコン、白滝、インゲンなどの具材はシイタケのだしがベースになった滋味深い味わいだ。一方、泡状のエスプーマにアレンジしたじゃがいもはまろやかな風味。野菜や肉は泡と一緒に口に含むことでうまみが引き立つので、別々と、一緒にした状態と二度楽しもう。シンクロする日本酒はにごり酒の『菊姫』。相乗効果で酒がスルスルと進む。
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一緒に来る相手をサプライズしたいなら『たい焼き ベッカフィーコ仕立て』を注文しよう。一見通常のたい焼きのようだが、イワシに詰め物をするイタリアの伝統料理、「ベッカフィーコ」をイメージしたメニューだ。表面はサクッとしたパイ生地。中にはタイやパン粉、レーズン、アンチョビのほか、香り高いディルやオレンジピールを入れたこだわりの逸品。
日本酒はフランスと日本に蔵を構え、驚きに満ちた酒を提供するワカゼ(WAKAZE)の『三軒茶屋のどぶろく』を合わせたい。米の風味やほんのりとした甘さが料理と絶妙にマッチする。
和食に携わってきたシェフに加え、フレンチやイタリアンで修行を積んだスタッフのアイデアを生かし、枠に捉われない料理を提供している同店。今後はフルーツパーラー、フタバフルーツとコラボレーションし、季節の果物を使った「料理×日本酒ペアリング」ができるイベントなども開催していく予定だ。詳細は公式SNSをチェックしよう。一人飲みはもちろん、誰かを楽しませたい時にぜひ訪れてみてほしい。
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