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2024年4月27日(土)〜9月1日(日)、「世田谷文学館」でホラー漫画家・伊藤潤二の初となる大規模個展「伊藤潤二展 誘惑」が開催。約320点の漫画原稿、描き下ろしの新作3点を含む約100点イラストをはじめ、新作フィギュアや貴重なネーム、少年時代の秘蔵創作資料など、約600点を展示。本記事では、ファンにはたまらない展示内容の一部を紹介する。
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なお、世田谷文学館は千歳烏山駅または芦花公園駅から徒歩10分前後の立地にある。用賀の「世田谷美術館」とは異なるため、出かける際は注意してほしい。
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美と恐怖、そしてユーモアの共存
展示構成は、「美醜」「日常に潜む世界」「怪画」、そして「伊藤潤二」の4章から成る。いずれも、原画やイラストの美しい線と緻密な描写を間近で堪能できるチャンスだ。
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第1章「美醜」では代表作「富江」から、伊藤作品一のヒロインであり、美しさと醜さが同居したファムファタールの富江を解説。近年では彼女を模倣した「富江メイク」なるメイクアップ方法が流行するなど、人々をひきつけてやまない魅力を探る。原型師の藤本圭紀とのコラボレーションを実現したフィギュアもあり、会場出口前には伊藤自ら着彩を手がけた一体も飾られていた。
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伊藤作品といえば、恐怖とグロテスクな画、ストーリーの中に、どこかユーモアを感じさせる表現も人気の一つ。シュールなコメディとしてのおもしろさも持つ作品「死びとの恋わずらい」コーナーでは、作者直筆のおみくじボックスを設置。数回チャレンジした結果、「大凶」「凶」を引くことができた。果たして、凶より上の占い結果は入っているのか疑問である。
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第4章「伊藤潤二」では、少年期の貴重なイラストや、漫画作品、SF小説、造形物など、伊藤ワールドを知るさまざまな展示物に注目。「現在は人形制作にはまり、ポーズ人形を作っている」と語るように、漫画を描くこと以外にもさまざまな創作に取り組んできた様子を垣間見ることができる。
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なお、製作中の人形は展示会期中にお披露目も検討しているそうだ。
展示の後には……
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じっくりと鑑賞する前後に、早めに抑えておきたいのがグッズ売り場だ。ステッカーやマスキングテープなど小さな文房具から、Tシャツ、マグカップ、ハンドタオルなど実用的なグッズ、はたまた浴衣やのれんなど、さまざまなグッズが揃う。夏の納涼アイテムとして、土産にもいいかもしれない。
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