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2017年にオープンした、外苑前のイノベーティブレストラン「ジュリア(JULIA)」。ニューヨーク・マンハッタンのミシュラン一つ星レストラン「グラマシータバーン(GRAMERCY TAVERN)」で修行したシェフのnaoと、日本ワインのペアリングを行うオーナーソムリエの本橋健一郎の夫婦が営む隠れ家的なレストランだ。
料理は、スナックやデザートを含み、アルコールとノンアルコールのペアリングが選択できる「OMAKASEコース」のみを展開する。国産食材とジャパニーズワインに特化し、ペアリングのワインありきで料理の内容を組み立てるというユニークなスタイルが特徴。フルーツや野菜を中心とした色鮮やかで軽やかなメニューで、多くの人を魅了し続けている。
2024年10月に発表された「ミシュランガイド東京2025」では、2年連続「セレクテッドレストラン」として選出され、フランス発の本格レストランガイド「ゴ・エ・ミヨ2024」にも掲載。この春展開のシーズンメニューでは、旬の食材を使用した料理とペアリングで構成されたコースで、ジュリアだけの世界観が詰まった魅惑の美食体験を提供する。
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ビンテージ家具が並ぶ1階のラウンジで、まずは食前酒とスナックを堪能。自家製柑橘シロップによるノンアルコールと、長崎の五島列島で作られたスパークリングワインとともに、ハマグリとナノハナ、和がらしをアクセントにしたマグロの漬けのフィンガーフードを頬張る。最後のプレートは、北海道産のウニと酒カスを使ったチュロスという斬新な組み合わせだ。
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内装は、白と黒を基調としたモノトーンでまとめられ、色彩豊かな料理を一層引き立てる。ソムリエ・本橋の母親のニックネームが店名の由来となっているジュリアの根底にあるのは、愛のある食事で人を幸せにする母の姿。ラウンジには、その母親や、食材や生産者を訪ね日本各地を旅した旅行先での写真が飾られ、温かなストーリーを感じる空間が広がっている。
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2階のダイニングに移動し、茨城県を中心に全国各地の食材による料理と、世界が誇れるジャパニーズワインのペアリングコースを満喫する。料理に合わせた梅干しのダシのノンアルコールと、茨城県産の白ワインとともに現れるのは、ホタテのフリットとキウイを合わせた前菜だ。春らしいフキノトウが添えられ、晴々しい緑がまぶしい。
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焼きミカンとカモミールを合わせたノンアルコールと一緒に口にするのは、「柑橘 | 烏賊 | 昆布」。昆布とイカ墨のソースとともに、スパイシーなカルダモンが印象的だ。ハイビスカスとイチゴのノンアルコールとともに登場するのは、炭火焼きのウナギに茨城県産のイチゴの「鰻 | 苺」。チーズのソースが添えられ、焼きたての蒸しパンとともにゆっくりと味わう。
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ビーツやホウレンソウのソースと北海道産のエゾシカの「蝦夷鹿 | 季節野菜」は、余市の赤ワインや薫香を付けたノンアルコールとともに楽しむ。デザートはオーガニックハーブを使った茶と、まろやかなチーズケーキのアイスクリームで、一気に口福が広がる。コースは最後まで、食後酒とともにジュリアの世界に浸れる。
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季節ごとに食材とワインが変わるジュリアでは、映画鑑賞と同じように、オムニバスがつながったようなコースで世界観に引き込むことを大切にしているという。この春は、ジュリアのテーブルに広がるスクリーンを満喫してほしい。
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