[title]
日本発の地方再生型ラグジュアリーブランド「ジャパン マスタリー コレクション(以下JMC)」が2023年12月22日(金)に、羽田空港第3ターミナル出国エリアに店舗をオープンする。JMCは、日本空港ビルデングの新規事業開発を担う羽田未来研究所が、日本各地の優れた素材、技術、感性を100年後も存続させるために立ち上げたブランドである。
まず展開するのは、国内約30エリアからキュレーションした約400型の逸品。海外でも人気のシューズブランド「オニツカ タイガー」に、姫路の熟練タンナーがなめした革に金沢の箔貼り職人が本金箔(きんぱく)を巧みな技で施した「Kansai Yamamoto別注モデル”MEXICO 66 DELUXE”」が羽田店限定で登場する。
カシミアの「絞り染め」という高度な技術を可能にした、愛知県有松にある「スズサン(suzusan)」のニットや、デザイナー・本間正章による高級ストリートウエアブランド「マスターマインド(MATERMIND)」が有田焼や讃岐漆器など各地の職人とコラボした器など、ハイクオリティーでありつつ、生活に取り入れたくなるアイテムが並ぶ。
中には150万円で販売される、日本最高級のもので製作された世界初のアートチョコレートも。外観のアートは京都の伝統工芸士である裕人磔翔が金箔で仕上げ、チョコレート部分は両国の人気ショコラティエが小田原の桜、京都のきなこ、日本の炭を使い制作。外器の銀器も8代続いた銀職人の手によるものだ。芸術品として鑑賞することはもちろん、パーティーで鏡開きのように割ってみなで味わい、シェアできる、まさに食べるアートである。
草月流師範である亀井紀彦の作品「玉手箱」は、華道や茶道、盆栽、箱庭にも通じる日本独自の美意識が、小さな空間に凝縮されている。ピンセットを使い、丁寧に挿されたブリザードフラワーが、美しい壮大な世界を作り上げる。
単なる「おみやげ」で終わらずに、ストーリーがあり、地方創生につながることがブランドの感性基準ではあるが、最も重視しているのが現代の生活様式に即していることだという。
商品を手に取った時に、その背景が伝わるよう、素材や企業名などを店頭POPに明記し、商品や作家、生産地域などに関するさらに深い知識を読み取れる「二次元コード」を店頭の約7割の商品に記載。この閲覧データから、どの言語のどんな層が、どの色やモデルに興味を持ったかをマーケティングし、生産者へと循環する。
JMCのミッションは地場産業の活性化、そして後継者育成だ。付加価値を加味した適正価格を設定し、生産者への利益還元をすることで、技術継続への支援を志す。空港という世界に開く場で、技術や感性が認められ、称賛されることは、若い世代の心を動かし、未来の職人の創生にもつながるだろう。
「空港は日本を訪れたツーリストとの、最後のタッチポイントです。日本のラグジュアリーを極めたアイテムに触れ、日常の中で愛用することで、今度はこの生産地を訪れたい、職人に会いたくなるなど、地方観光の送客へとつなげたい」と羽田未来研究所社長の大西洋は語る。JMCブランドを通じて、出国エリアが次なる目的地を決めるきっかけになるかもしれない。
関連記事
『秋葉原に落合陽一が手がけた「無限の鏡」のオブジェとイルミネーションが誕生』
『ティファニーとポケモンがタッグ、9種のコラボレーションアイテムを発表』
『丸の内全体でディズニーアニメーションをテーマにしたクリスマス演出が登場』
『大人も夢中になるいちご色の世界「魔法の文学館」でしかできない5のこと』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら