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ウォール・ストリート・ジャーナルが最初に報じたように、ジェットブルー航空は2022年7月28日、フロンティア航空との合併合意に至らなかったスピリット航空を38億ドル(約5,001億円)で買収すると正式発表した。この格安航空大手2社の合併で、アメリカ第5位の航空会社が誕生することになる。
この数カ月、ジェットブルー航空とフロンティア航空は、鮮やかな黄色の飛行機が特徴的なスピリット航空の買収を巡って、活発な動きを見せてきた。フロンティア航空がスピリット航空を買収すると合意がなされていた中、4月にジェットブルー航空が出した36億ドル(約4,737億円)での買収オファーで、買収合戦の形勢が変わった。ジェットブルー航空は2016年にヴァージン・アメリカ買収に挑戦してアラスカ航空に敗れたため、ライバルによる買収阻止に一段と熱くなっていたのかもしれない。
スピリット航空の買収が成功すれば(規制当局の承認が鍵)、ジェットブルー航空は国内ではアトランタ、シカゴ、ダラスに、国外ではカリブ海とラテンアメリカへと拠点を拡大する。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同社では3年後に「年間7億ドル(約921億)もの純相乗効果」を見込んでいるという。
ではこの買収劇は、旅行者にとってどんな意味があるのだろうか?
まずジェットブルー航空では、スピリット航空の飛行機の一部の座席を取り払い、足元を広くする予定だ。それだと料金が高くなるのではという心配もある。しかし専門家は、ジェットブルー航空は運賃を低く抑えるだろうと考えている。「元恋人」のフロンティア航空に対する競争力を維持するためだ。
統合後は、使用機材の増加も見込まれる。ジェットブルー航空の約280機に、スピリット航空が使っている約180機が加わるほか、さらに300機が注文中だという。また、ジェットブルー航空がスピリット航空のパイロットを迎え入れることができるのは、パイロット不足の折、ありがたいことといえる。
前の座席の下に入らないバッグは有料とか、飛行中にリフレッシュメント類は一切提供しないとか、スピリット航空かなり素っ気ないサービスで知られている。しかしその方針は、合併後消滅するかもしれない。統合後は、あのただの小さなピーナツの袋が、とても素晴らしいものに見えるかもしれない。
合併取引完了後に、
スピリット航空は、無駄な時間と経費を費やしたことに対し、フロンティア社に2,500万ドル(約32億円)を支払うという。航空会社の「交際」は、本当に難しいものなのだなと実感する。
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