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刑務所や監獄というと、豪華な宿泊施設の対極にあるように聞こえるかもしれない。しかし、奈良県にある「旧奈良監獄」は、2024年には日本で最も話題性に富むホテルの一つになることだろう。
旧奈良監獄は、山下啓二郎の設計に基づいて1908年(明治41年)に完成、当時の建築の最も優れた作例の一つとして重要文化財にも指定された。「明治五大監獄」の一つとしても知られ、完全な形で現存する唯一の施設だ。だが1世紀以上を経た現在、この歴史的建造物となったこの監獄は、耐震性など構造上の問題から本来の目的を果たすことはできなくなり、2017年に閉鎖された。
その代わり、同施設は高級リゾートの運営を手がける星野リゾートの手に委ねられ、自由に出入りできる高級ホテルとして生まれ変わることになった。東大寺のすぐそばに位置し、隣接する保養所もあるため、「お辞儀するシカ」で有名な奈良県の観光活性化に寄与すると期待されている。
最大の特徴である赤れんがのロマネスク様式のファサードはそのままに、内部を大幅に改修し、旅行者に快適な空間を提供する予定だ。客室は、独房9室程度をつなげて全48室を設ける。看守室は、ゲストラウンジや共用スペースに生まれ変わるという。
同監獄内にある1棟は、博物館として活用予定だ。宿泊客や市民に、この監獄がどのように使われていたかを知ってもらえるように、当時の面影をほとんどそのままに残すという。懸念されていた耐震性を高める工事も進められている。
建物内部の改修は2022年の秋ごろから始まり、2024年夏には完成を見込んでいる。それまでは、公式ウェブサイトにあるバーチャルツアー機能で、この魅力的なランドマークを探索することもできる。
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