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新潟県で3年に一度開催される野外アートフェスティバル「越後妻有 大地の芸術祭」。2000年に初開催されて以来、草間彌生やレアンドロ・エルリッヒ、名和晃平、ジェームズ・タレルなど国内外から多くのアーティストが参加してきた。
新型コロナウイルスによる1年の延期を経て、8回目を迎える芸術祭が2022年11月13日(日)まで開催中だ。期間中はさまざまなアートイベントや過去の開催時に制作された恒久作品と新作が展示されている。
息を呑むような自然の風景を背景に世界的なアーティストの作品を鑑賞
大きな特徴は越後妻有の自然や周囲の景観を生かすことに重点を置き、多くの作品が屋外で展示されていることだ。例えば越後妻有里山現代美術館内に常設されているレアンドロ・エルリッヒの「Palimpsest: 空の池」や、若手建築家のマ・ヤンソンが旧清津峡トンネルを象徴的なランドマークに変身させた「Tunnel of Light」などが挙げられる。
この構想から生まれた最も有名なプロジェクトは、2000年のトリエンナーレのために設計されたジェームズ・タレルの「光の館」だろう。伝統的な日本建築と畳の部屋、そしてダレルの特徴である光と色彩の使い方が融合した、日本では数少ない宿泊型体験作品だ。
できれば長期滞在したくなる芸術祭
公式ウェブサイトでは、滞在プランに合わせたモデルコースを紹介している。日帰りで訪れたい場合は東京から7時48分に新幹線に乗車し、列車と徒歩で見られる作品を堪能する「ゆらゆら巡る日帰りコース」がおすすめ。
アートが点在する城山エリアやまつだい「農舞台」を見学したり、ご当地グルメや温泉に浸かったりしたあと、十日町駅から列車に乗り20時56分に東京に到着する旅程だ。
もし時間があるならゆっくり越後妻有に滞在し、より多くのアート作品に触れてみるべきだ。十日町、川西、中里、松代、松之山、津南の6つのエリア、約200のアート作品が広大な地域に点在している。
各地域には棚田や渓谷など、その土地独自の自然美や景観が広がる。コンセプトとして掲げられているのは「人間は自然に内包される」というメッセージ。参加者は知られざる新潟の牧歌的な一面に目を向けながら、芸術に浸ることができる。
7月末までのパスポートを予約で早期割引が適用
今年の芸術祭は38の国と地域から263組のアーティストが参加し、そのうち95組が新作を発表する。田中泯の幻想的なコンテンポラリーダンスや布施知子の折り紙ワークショップなど、イベントやパフォーマンス、期間限定のワークショップなど多彩なプログラムにも注目したい。
7月29日(金)までは、決められた会場に何度でも入場できる「早割チケット」を販売。料金は3,500円(大学・高校生2,500円)で、中学生以下は無料だ。それ以降は通常料金(4,500円、大学・高校生3,500円)になる。そのほか、各イベントや地域ごとのチケットも販売しており公式ウェブサイトから購入できる。
芸術祭では簡単な検温と体調確認を行なっている。1日の始めに地域内各所の「検温スポット」に立ち寄り、マスクを着用した上でチェック済みの印になるリストバンドを受け取ろう。なお、火曜と水曜は休みとなるので訪れる際にはスケジュールを確認してほしい。
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