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「デートでは男性がおごるべき」「男性は仕事で業績を残して、女性は家庭を守らなければならない」など、世の中にはジェンダーステレオタイプが根強く残っている。人々が「男らしさ」「女らしさ」を習得することは当たり前とされ、それに違和感を抱いたとしても見過ごされがちだ。インディペンデントマガジンの「IWAKAN Magazine」は、そんな日常に潜む違和感に目を向け、疑問を投げかける。
2023年5月12日(金)から5月28日(日)まで、「アパートメントホテル新宿」の「gallery -1」で男性性をテーマとして扱う「IWAKAN Magazine 6th EXHIBITION 男性制」展が開催。5月10日発売の特集号「IWAKAN Volume 06 特集 −男性制−」に収録されたアートワークや、会場でしか見ることのできない映像作品などが展示される。
参加アーティストは、パリを拠点に活動するビジュアルアーティストのJacques Merle、主にパフォーマンスと写真を軸にして制作を行っている寺田健人、自分の身体を展示する形式「いる派」を標榜する小寺創太、手紙や岩絵具を使ってメンタルヘルスやLGBTQ+に対する差別など現代社会に関連する問題を記録するNelson Horなど、それぞれの表現でジェンダーについて考えるきっかけを与える。
トキシックマスキュリニティー(Toxic Masculinity=有害な男らしさ)という言葉があるように、社会的な期待に従って男性らしく振る舞うことは、実は男性の生きづらさにつながり、男性の自殺率を上げる要因にもなると考えられている。
IWAKAN Magazine編集部は、そんな暴力的で支配的な規範を固定化するようなさびついた「男らしさ」や、その規範に当てはまらなければ「女らしさ」と片付けられることの粗雑さ、家父長制に参加させられているために抑圧されている画一的な男性性を問題として捉え、自らの男性性について考える場を提供するべく、展示の開催に至ったと語る。
固定化された概念に一度目を向け、新たな男性性を探求してみては。
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