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シドニーで毎年開催される光とアートと音楽の祭典「Vivid Sydney」は、「Vivid Music」プログラムの一環として、「テクノトレイン・バイ・ポール・マック(Tekno Train by Paul Mac)」が運行されることを発表した。これは、その名の通り、音と光に包まれながら線路の上を走る電車に乗れる体験。今年、この街で最もクールな話題が飛び込んできたといえるだろう。
このスリリングな音楽アドベンチャーは一夜限りのものではない。シドニーの環状線であるシティ・サークルの使われなくなった線路を走るこの電車は、Vivid Sydney期間中の23夜にわたって「熱い」運行が予定されている。
電車内で響くのはもちろん、マックによるオリジナルのテクノサウンドだ。没入感のある照明は、音楽のビートに合わせて動くようカスタムされたもの。さらにクールなことに、音楽と照明は電車の速度や外の景色の変化に合わせて反応するという。
マックの紹介は不要だろうが、首をかしげる人のために説明しておこう。彼はオーストラリアを代表するエレクトロポップミュージシャン、シンガーソングライター、プロデューサー、リミキサーで、Itch-E and Scratch-E、LCDサウンドシステム、Rüfüs Du Sol、Ngaiire、Daniel Johns、ジョージ・マイケル、シーア、そして我らがカイリー・ミノーグとの音楽活動で知られている。
マックはなぜこの「旅」に参加したかったのだろう? 彼はその理由を次のように説明してくれた。
「電車はいつも僕を魅了します。『カチッ、カチッ』というリズミカルな音、金属と金属がぶつかり合う音、ブレーキの音やにおいなど、どれも誰もが共感できる興味深い感覚体験といえるでしょう。テクノトレインはさらに一歩進んで、音楽と照明を駆使して、通勤で乗るような電車の旅を感覚的なジェットコースターに変えるんです」
テクノトレインには、60分のルートが2種類用意されている。一つは、子ども連れの家族に適したゆっくりとした地上の旅で、もう一つは、全てが「増幅」され、テンポが速く、より拍動するテクノビートを楽しめる地下の旅である。
Vivid Sydneyが、シドニー市内で使われなくなった鉄道インフラをクールに活用したのは今回が初めてではない。2023年に初公開された「Dark Spectrum」では、ウィンヤード駅の下にある古いトンネルを、光と音の体験の場へと生まれ変わらせた。
ニュー・サウス・ウェールズ州の雇用・観光大臣であるジョン・グラハムは、次のように述べている。
「Vivid Sydneyは、常に新しいユニークな場所を見つけ、思い出に残る一期一会の体験をプログラムにしています。2024年のテクノトレインは、そのレベルをさらに引き上げます。オーストラリアの音楽賞を数々受賞しているポール・マックが作る線路上のためのトラックによって、電車に乗るという日常的な体験が、楽しい時間とユニークな共有体験に昇華されるでしょう」
また、Vivid Sydneyのディレクターであるギル・ミネルヴィーニは次のように語っている。
「今年の祭典は視野を広げ、先入観に挑戦し、人間性をたたえることに重点を置いています。ポール・マックによる『テクノトレイン』は、世界屈指のアーティストたちによるさまざまなアートの形式が、いかに日常的な活動を真に記憶に残るものに変えることができるかを示す完璧な例でしょう」
テクノトレインは、2024年5月24日(金)から6月15日(土)までのVivid Sydneyの期間中、毎晩運行される。この唯一無二の電車旅行のチケットが欲しい場合は、「鈍行」に乗っては駄目だ。急いで手に入れよう。
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