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オリンピックはどの大会でも基本構成はそう変わらないが、繰り広げられる壮大でユニークな光景は、それぞれの開催都市の特色と精神によって変わってくる。今回のパリ大会についていえば、あの奇抜な開会式がその象徴といえるだろう。
しかし、記憶に残ったものはそれだけではないはずだ。陸上競技が行われている間、テレビ画面に見入ってしまわなかっただろうか。そう、金メダル獲得者が「スタッド ド フランス」のゴール付近にある勝利の鐘を興奮気味に鳴らした、あの場面だ。
あの鐘は何なのだろうか。
注意深い人なら気づいているだろうが、あの鐘には「Paris 2024」と刻まれている。実はこれは、2019年に大火災に見舞われた「ノートルダム大聖堂」の大規模改修に用いられる鐘なのだ。
ノルマンディーで作られたこの鐘は、大会が終わるとスタジアムから取り外され、大聖堂の鐘楼の一つにつるされるという。
ハフィントンポストは、「スタッド ド フランス」のマネジャーであるピエール・アンドレ・ラクトが、次のように語ったと伝えている。「これはある意味、ノートルダムの再建の支援なのです。大会の記憶とオリンピック精神は、ずっと寺院に残るでしょう」
つまり、オリンピックの栄光に彩られた鐘音が、今後何年にもわたって街に鳴り響くことになるのだ。これは、パリにとって幸運なことといえるだろう。
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『Why do athletes ring a bell at the Paris 2024 Olympics after winning gold?(原文)』
『大火災から5年、ノートルダム大聖堂が2024年12月8日一般公開再開へ』
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