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ひとまず3年間ではあるが、ニューヨークでカクテルの持ち帰りが正式に可能となった。
ニューヨーク州知事であるキャシー・ホークルは、自身が数カ月前に永久的な合法化を呼びかけていた、州内のバーやレストランやデリバリーにおける持ち帰り用カクテル類の販売について、3年間合法化すると決定した。ただし、「実質的な食品」との同時購入が求められる。3年後、立法府はこの変更を恒久化するかどうかの判断をするという。
この新しい法律どんなものなのだろうか、詳しく見てみよう。
合法化の経緯は?
2020年、当時州知事だったアンドリュー・クオモは、パンデミックの悪影響で無期限の休業に追い込まれ多くの飲食店を救済するために、レストランやバーにおけるカクテルなどの持ち帰り用アルコールドリンク(ビールは元々持ち帰リできたため、主に事前にミックスされたカクテルやワイン)の提供を初めて許可した。
当時のガイドラインでは、飲み物と一緒に食べ物を提供することが義務付けられていたため、それをかわす策として、1ドル商品が各店のメニューに登場。「クオモチップス」と呼ばれる1ドルのポテトチップスを提供する店が多く現れるという珍事も起こった。
クオモが出した州知事令は結局失効したが、2022年1月、ホークルはカクテルなどの持ち帰りを可能にするルールを再び復活させる意向を公にしていた。
同時購入の「食品」は何がOK、何がNG?
2022年4月9日、ホークルは予算案を成立し、州全体で飲食店による持ち帰り用カクテルなどの販売やデリバリーを、3年間の期限付きで合法化した。このルールでは、顧客が飲み物と一緒に「実質的な食品」を購入することが義務付けられている。
「ニューヨークのナイトライフとホスピタリティー産業はどこにも負けない。持ち帰り用カクテルの販売を認めることで、この業界のパンデミックからの回復を引き続き支援する」と知事は公式声明で述べた。
知事の決定から数日後、州酒類管理局(SLA)は緊急会議を開き、この新しいルールに関する正確なガイドライン、特に「実質的な食品」とは何かについて検討を行った。
Gothamistによると、SLAは「スープ、サンドイッチ、サラダ、チキンウイング、ホットドッグは、『新鮮か、加工されているか、調理済みか、冷凍か』にかかわらず、全て実質的な食品である」とされるようだ。一方、ナッツ、キャンディー、ポテトチップスは、この規定で定義された食品の許容範囲に入らない。
ガイダンスでは、「例えば、不当に小さいスープ、缶詰の豆、一握りのレタス、また、実際に注文されていないのにアルコール飲料のための少ない追加料金を請求するなど、法律を回避しようとする明白な行動は、法律違反として扱う」と示されている。
言うまでもなく、これでクオモチップスとは永遠にさようなら、となった。
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