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目を覚ますと、自分が住む建物の側面がバンクシーのアートワークで埋め尽くされていた……なんてことはそうあることではない。
しかし、2024年3月17日、ロンドン北部のフィンズベリーパークの一部の住民にとっては、それが現実となった。同地に立つ建物の壁が、世界的に有名な匿名アーティストの作品と思われる緑色のペンキのしずくで覆われたのだ。
バンクシーは、この壁画の作者であることを公式に認めている(バンクシーは通常、ウェブサイトやソーシャルメディアに作品の写真を掲載することでこれを行う)。この新しいバンクシーの作品について、これまでに判明していることは以下の通りだ。
このロンドンの新しいバンクシー作品はどこにある?
壁画が現れたのはロンドン北部のフィンズベリーパークを通るホーンジーロードにある建物の側面。前にある裸の木の「葉」になるように幾層もの緑色の線、左下の隅に高圧ホースとペンキ容器のようなものを持って立つ人物が描かれている。
壁画は何を表現している?
BBCラジオ4のシリーズ「バンクシー・ストーリー」のクリエーター、ジェームズ・ピークは「メッセージは明確です。『自然はもがき苦しんでおり、それを回復させるのは私たち次第』ということでしょう」と語っている。
季節は春なので木は葉を茂らせているはずだが、この木はそうではない。ピークはバンクシーが自転車で通りかかり、その惨めな様子に気づいたのではないかと考えているようだ。また、ペンキの色は、この地区の自治体で環境問題に力を入れているイズリントン評議会が道路標識などに使っている緑色と一致。ピークはこうした細部へのこだわりは、バンクシーらしいと指摘している。
人々はどんな反応をしている?
イズリントン評議員であるフローラ・ウィリアムソンは、Xへ「今日のホーンジーロードでの街頭キャンペーンで最もエキサイティングだったのは、一晩で出現したバンクシーの作品を見たこと。地元の関心がとても高かったです。私は作品のファンになりました」と投稿した。
住民もかなり興奮している。ある人はXで「フィンズベリーパークの新しいバンクシー作品の管理人になったことを誇りに思う。今朝起きたら、これがフラットの横の壁にあった」という投稿。BBCによると、ポール・ドリノは「ホーンジーロードにここ数年で起きた中でも最高の出来事だ」と語っている。
しかし、楽観的ではない人もいるようだ。別の住人は「バンクシーの作品のために、家賃が高騰するかもしれない」と語っている。
新しいバンクシーのアートワークが汚されたのはいつ?
ホーンジー在住のマット・マッケンナ(Matt McKenna)は、3月20日(水)、新たに描かれた壁画に白いペンキがかけられているのを目撃した。マッケンナはBBCの取材に対し、有名なアートワークがすでに改ざんされているのを見るのは「本当に残念だ」と語った。
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