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ニューヨークの「フラットアイアンビル」が競売に

州裁判所が決定、現所有者間の争いが原因

Anna Rahmanan
テキスト:
Anna Rahmanan
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
Flatiron Building
Photograph: Shutterstock
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マンハッタン、ミッドタウンにあるランドマークの一つである「フラットアイアンビル」が、現所有者間の争いを解決するため、2023年3月22日(木)に競売にかけられることになった。この決定は、ニューヨーク州最高裁が最近下した判決に基づくもの。

不動産情報サイトのThe Real Dealによると、現在はGFP Real Estate、Newmark、Sorgente Croup、ABS Real Estate Partnersが同ビルの75%を、残り25%をネイサン・シルバースタインが所有している。

2021年、シルバースタインの経営判断の甘さにより建物を長期間空室にしているとし、前者4社から成るパートナーグループが分割売却を見込んで彼を訴えた。一方、シルバースタインも同様に、パートナーグループが建物のスペースを適切に賃貸しようとしなかったとし、彼らを訴えていた。

所有権の構造上、どのオーナーも基本的にビルの理念に対する拒否権を持つため、事態はさらに複雑になり、裁判所は結局、このビルを競売にかけることにした。売却代金は現在の出資比率に応じてパートナーに分配されるとのことだ。

5番街175番地に立つ22階建てのこのビルは、元々「フラービルディング」という名前だったが、三角形の鉄のような形をしていることから「フラットアイアン」という愛称が付いた。その後、ビル付近の一帯も「フラットアイアン地区」と呼ばれるようになった。

1902年の開業当初は建設会社フラー社の本社ビルとして使用されていたが、1925年、同社がこのビルを投資シンジケートへ売却。1966年にニューヨークのランドマークとして指定された時、ランドマーク保存委員会は、このビルを次のように説明している。

「夜に見ても、雷雨の中で輝く舗道に映っても、吹雪の中で命をかけて立っていても、見る者の上にそびえ立つ船首のような塊は一つの方向を示している。1902年のニューヨークにとって、このビルはまさにモダニティのエッセンスを表していたのです」

1990年代後半になると、ビルの所有権はパートナーに分割された。オフィスフロアは21あるが、最後にイギリスの出版大手マクミランが出ていってから、2019年6月以降はテナントとして入っている会社はない。2020年11月時点で全館が空き状態でとなり、改修工事が始まった。

フラットアイアンビルビルにとって現時点での優先順位は、明らかに、この象徴的な場所をもう一度埋め尽くすことにあるといえる。

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The iconic Flatiron Building is going to auction(原文)

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