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ロンドンでダミアン・ハーストの無料絵画展が開催

ドクロやホルマリン漬けはナシ、今描くのはきれいな花

Eddy Frankel
テキスト:
Eddy Frankel
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
Installation View: Damien Hirst, The Civilisation Paintings at Phillips London, 2024.Photographed by Prudence Cuming Associates Ltd. © Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved, DACS/Artimage 2024.
Installation View: Damien Hirst, The Civilisation Paintings at Phillips London, 2024.Photographed by Prudence Cuming Associates Ltd. © Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved, DACS/Artimage 2024.
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イギリスのアート界きっての「いたずらっ子」のダミアン・ハーストの新作絵画展が、ロンドンのメイフェアにあるフィリップスのオークションハウスでスタートした。

展示総数32点の中心は、花に覆われた都市環境を描いた「Civilisation Paintings」シリーズの作品。ビルや橋や建造物、その周りに咲き乱れる満開の花がとても印象的だ。

ほかにも、全てが機械によって制作された「Robot Paintings」シリーズの新作数点も並ぶ。展覧会全体をキュレーションするのは、ハーストの息子であるコナー・ハーストだ。

この展覧会を主催するアート分野に特化したテクノロジー企業であるHENIは、「『The Civilisation Paintings』は、現代文明の複雑さと困難に立ち向かう希望の必要性を探求しています。ダミアン・ハーストは、鮮やかで楽観的な色使いによって、その一端を成し遂げているのです」と説明している。

これらのハーストの作品は深刻なものではなく、恐ろしい衝撃的なニュースが飛び交う世界で、ちょっとした色彩と喜びと気晴らしを与えてくれる、軽やかな救済だ。ロンドンの各所に動物の絵を描いた、最近のバンクシーに通じるものがあるといえる。

日常的な存在の不正義や痛みに立ち向かうことこそアートかもしれない。また、抵抗や希望や慰めの道を提供するのも、アートの一つの役割だろう。

しかし、時にアートは、何の意味もない色とりどりの花のイメージに過ぎないこともあるのだ。

『The Civilisation Paintings』の開催は、2024年9月5日(木)まで。無料で観られる。

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A free exhibition of Damien Hirst’s newest paintings has opened in London(原文)

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