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ベネチアの観光客向けの入場料トライアルは「成功」

市はオーバーツーリズム対策に手応え、増額を検討か

Liv Kelly
テキスト:
Liv Kelly
翻訳::
Time Out Tokyo Editors
Venice
Photograph: Shutterstock
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ここ数カ月、よっぽどの異世界にいたのでなければ、ベネチアでついに、日帰り観光客から小額の入場料を徴収するトライアルが実施されたことは知っているだろう。

市によるこの取り組みは、観光客の数を抑制するためのもの。幾度もの導入延期を経て、2024年4月25日から7月14日までの29日間、日帰りの観光客から、1人5ユーロ(約834円)が徴収された。開始当日には大規模な抗議に直面したというが、大した額ではないように思われる。

期間中に支払いの対象となった観光客の入場は、48万5062件。つまり、この取り組みは、240万ユーロ(約4億60万円)を生み出したことになる。総額で見ると、なかなか大きい金額だといえるだろう。

入場料の支払い対象となる時間は8時30分〜16時で、それ以外は免除された。課金時間内に違反した人には、50〜300ユーロ(約8,340〜5万円)の罰金が課せられたという。

トライアル期間中の観光客は60%がイタリアからで、アメリカ、ドイツ、フランスからがそれぞれ4〜6.5%だった。また、支払いには平均2分を要したそうだ。

スカイニュースによると、ベネチア市はこの取り組みを成功と位置づけ。観光局トップのシモーネ・ヴェントゥリーニからは「文化革命」との発言も出た。秋にトライアル結果の完全な分析を実施した後に、入場料を倍増するのではないかと、報じられている。

今年の後半にベネチアを訪れるために、本当に10ユーロ(約1,667円)が必要になるのかどうかについては、続報を待とう。

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