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イタリアの地中海最大の島であるシチリアはシーフードや素晴らしいワイン、エトナ火山や神殿の谷といった観光名所、そしてマフィアの発祥など、さまざまな理由で世界的に有名だ。しかし近頃、島内のとある観光地が、マフィアのイメージだけは払拭(ふっしょく)したいと、躍起になっている。
その場所とは、島の南東に位置する都市、アグリジェントだ。紀元前582年にギリシャ人によって築かれたこの街は、ユネスコの世界遺産に登録されるほど見どころが豊富。2025年には「イタリア文化首都」になることが決定し、これまでよりも注目を集めている。
シチリアでは今もマフィアが活動しており、アグリジェントの土産店でも、つい先日までは彼らをテーマにしたマグネットやTシャツ、ショットグラスなどを見つけるのはそう難しくなかった。しかし、同地が脚光を浴びる中、その状況が変わりつつある。
アグリジェント市長のフランチェスコ・ミチケが、マフィアの活動を容認しないという明確なメッセージを発信するため、最近マフィアに関連付けらていると思われる土産の販売を禁止する条例を発布したのだ。
ユーロニュースによると、市長はイタリアの報道陣に向けて次のように語ったという。
「アグリジェントの域内でこのような商品が販売されることは、長年にわたり合法文化の普及に尽力してきた地元コミュニティーへの屈辱といえるでしょう。そのことを考慮し、マフィアや組織犯罪を賛美したり、どのような形であってもそれらを想起させるあらゆる種類の物の販売を禁止するよう命じました」
地元警察は現在、アグリジェントの土産店を査察する権限を持つが、違反した店や企業にどれだけの罰金が科されるかなどの条例違反への対応方法などは、明らかになっていない。
アグリジェントがイタリア文化首都にに選ばれたことは、とてもエキサイティングなことだ。44の新しいプロジェクトが進行中で、 イタリアのオペラポップトリオとして知られるイル・ヴォーロは神殿の谷でのコンサートを予定している。市がそのイメージに磨きをかけたいのも、もっともだといえるだろう。
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