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フィレンツェ、オーバーツーリズム対策の鍵は「キーボックスの禁止」

「景観を損ねる上に防犯上のリスクあり」と市当局が規制

Liv Kelly
テキスト
Liv Kelly
翻訳:
Time Out Tokyo Editors
A stunning view of Florence from Piazzale Michelangelo
Photograph: Shutterstock.com
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オーバーツーリズムに関する議論の中心となっているイタリア。観光客の急増はベネチアやローマだけではなく、ほかの地域の暮しにも影響を及ぼしている。

その一つが、フィレンツェだ。同市の歴史地区では地元住民の流出を防ぐため、数年前から新たな短期賃貸の開設が全面的に禁止されている。市当局はさらに、同エリアでセルフチェックイン用キーボックスを禁止する新たな規制を、近日中に導入することを発表した。

こうしたボックスは、短期賃貸の貸主が対面での鍵の受け渡しを不要にし、柔軟なチェックインを可能にするために使われることが多い。しかし、景観を損ねる上に防犯上のリスクを伴うとして非難されてきた。

当局は、キーボックスの撤去が訪問者と住民のバランスを改善すると主張している。インディペンデント紙によると「Let’s save Florence to live in it(フィレンツェを暮らせる街として守ろう)」キャンペーンの代表であるマッシモ・トレッリは、訪問者数が1万5000人から7000~8000人に減少することを期待しているという。

「(現在、キー ボックスは)自転車ラックや街灯の柱など、至る所に設置されている」とトレッリは指摘。「フィレンツェは無秩序な観光によって衰退しつつある」と述べている。

しかし、この状況も長くは続かないだろう。フィレンツェ市長のサラ・フラーノは2025年2月19日に地元テレビの取材に対し、「来週までに建物に取り付けられたキーボックスは全て市当局によって撤去され、指示に従わない者には最大400ユーロ(約6万2,145円)の罰金が科される」と明言した。

実は、これは導入予定のオーバーツーリズム規制の一部に過ぎない。フラーノの市政権は、キーボックスの禁止にとどまらず、歴史地区におけるツアーガイドによる拡声器使用の制限などを含む、全10項目から成る規制案を承認している。

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This popular Italian city just introduced a new anti-tourism restriction(原文)

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