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プーチンのウクライナ侵攻は、恐ろしいほどの人的犠牲を生んでいるが、別の側面でも過酷な被害をもたらしている。それは、ウクライナの文化的、歴史的名所の残酷な破壊だ。
記念碑、博物館、建物は単なる「もの」という考えもあるかもしれないが、こうした文化財はウクライナの文化や歴史、そしてアイデンティティーにとっての「柱」といえるものなのだ。
侵攻が始まって以来、ウクライナの文化施設では、すでに多くの損害が発生。ユネスコが2022年6月13日に発表した被災文化財リストとレポートによると、カテゴリーごとの被害状況は次のようになっている。
ウクライナの被災文化財(ユネスコ)
※数字は施設や被の数
宗教施設:66
博物館:12
歴史的建造物:28
文化活動専用の建物:18
記念碑:15
図書館:7
ユネスコが文化財被災の検証でカバーしているのは、ウクライナの9つの地域。被害を受けた施設には、第二次世界大戦で戦死した兵士の集団墓地から、3月にロシアの空爆で市民が犠牲になったとされるマリウポリのドラマ劇場も含まれている。
また、有名な木造正教会やイバンキウ博物館、ハルキウ美術館なども破壊されたという。いずれもユネスコ世界遺産には指定されてはいないが、衝撃的な出来事であることに変わりはない。
1954年制定のハーグ条約によって、文化財は国際法の下で保護されている。文化財破壊について、ロシアが何らかの処分を受けることになるかは不明だ。すでにロシアは2月24日の開戦以来、数々の戦争犯罪で告発されている。
ユネスコが発表した被災文化財リストはこのウェブページで見ることができる。
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