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音楽の街としてさまざまなジャンルの音楽シーンを育む東京の下北沢に、新たなDJバーのアイラス(ILLAS)が誕生した。かつてモア(MORE)やハーフ(HALF)が存在した跡地にあり、同じく下北沢にあるスプレッド(SPREAD)の姉妹店として営業する。2021年12月2日にはプレオープンパーティー、3日にはオープニングパーティーが開催された。
「箱」の歴史が刻まれたノスタルジックな新空間
美しいサウンドシステムとおいしい酒、そして下北沢でも有数の「クラブミュージックが鳴る場所」として名をはせていたモア。2019年6月の閉店以降は、弾き語りを軸としたミュージックバーのハーフとして営業を続けていた場所が、新たにDJバーとして生まれ変わった。
木製のバーカウンターと、レンガやコンクリートでできた壁はモアの頃から変わらず。大きく変わったのは電飾がなくなったことと、DJブースにモニタースピーカーが設置されたことくらいだ。訪れていた人々にとっては懐かしい空間が広がっている。
キャパシティーは約50人ほど。2日に開催されたプレパーティーでは、過去にモアを拠点にイベントを開催していたDJクルーのToo Young To Loveが出演。翌3日のオープニングパーティーではAKIRAM EN、DJ mew、MOODMAN、ROYAL HOST with MIZU、0120といった、モアと縁の深いラインアップで新たなスタートを切った。
名物『オットセイのお酒』も健在
バーカウンターの奥には棚一面にリキュールが並び、低価格帯でさまざまな種類の酒を楽しむことができる。テーブル席も用意されているので、一晩中DJブースの前で踊り続けることも、静かに座りながら音楽を楽しむことも可能だ。
また、モア時代を知る人にとっては懐かしい名物『オットセイのお酒』も復活。オットセイ由来の成分と和漢抽出エキスを配合し、幻の酒とうたわれてきた健康酒だ。気になる味は「良薬口に苦し」かと思いきや、優しくコクのある甘さが広がり飲みやすい。ショットグラスでストレートに飲むか、炭酸で割る飲み方が店のおすすめだ(ただし度数が高いため、飲み過ぎに注意してほしい)。
今後はスプレッドとの連動イベントも開催予定
下北沢にはライブハウスが数多く存在し、長きにわたり「バンドと弾き語りのカルチャーが色濃い街」というイメージが流布している。近年ではカウンタークラブ(COUNTER CLUB)やクリーム(CREAM)、スプレッドといったDJバー、そしてライブハウスとクラブの両側面を持つリブハウス(LIVEHAUS)が誕生したことにより、下北沢独自のクラブシーンが根付きつつある。そこにアイラスが加わることで、シーンはより豊かになるだろう。
今後、アイラスでは週末にSPREADと連動したイベントも開催していくという。モアとハーフが培った長い歴史を受け継ぎ、新たなナイトカルチャーが育まれていくことに期待したい。
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