[title]
2021年は混乱とフラストレーション、そしてそのはざまに置かれたような状況だった。しかし、評価に値する部分はしっかりと称賛すべきだろう。この一年、東京は多くのことを経験したが、それでも私たちの愛するこの都市は、暗い時代の中でも輝いていたのは確かなことだ。
緊急事態宣言が発令される中、世界最大の国際的なスポーツイベントが開催され、新首相が就任し、皇室では結婚騒動があった。ほとんどの時間を自宅で過ごし「2021年に何が起きたのかピンとこない」という人は、本記事が役に立つはずだ。ここでは、2021年の東京(そして日本)が成し遂げたことを振り返りながら紹介する。
1. 『東京2020オリンピック・パラリンピック』の開催
『東京2020オリンピック』を開催するのか否かについては重要な話題になった。「安全に開催することはできない」「この時期に巨額の資金を投入して大会を開催する意味があるのか」という意見もたくさん上がったが、開催を踏み切り、驚くべき結果をたくさん残した。
残念ながら無観客での開催となったが、金メダルを獲得した選手たちの姿をスクリーンで見ることができたのは、とても爽快である。大会では、スポーツクライミングやスケートボードなど5つの新しい競技を導入。多くの制限がある中、日本は史上最多のメダルを獲得した。
今年のオリンピックは「勝利」だけではなかった。アスリートと東京都民が一緒になって、類まれな強さや優しさ、そして親切心を示し、心温まる瞬間を数多く残したのも事実。毎朝必ず選手村に訪れ「メダルを取らなくてもあなたは最高の選手だ!」という看板を持つ男性も現れた。
また、タイムアウト東京が独自に行った調査では、多くの人にとってオリンピックとパラリンピックが、「憂鬱(ゆううつ)な気分を解消するのに必要なものであった」と回答している。オリンピックの全体的な感想については「パンデミックの中で、東京は最善を尽くした」と回答している人が半数以上いた。大会が正式に終了した後も、私たちはソーシャルメディアなどでその輝かしい瞬間を何年にもわたって振り返るはずだ。
2. 新型コロナワクチンの導入
2021年の春ごろ、日本国内での新型コロナウイルスの接種開始の遅れが指摘されていた。ところが国民にワクチンの摂取券が無料配布されると同時に驚異的なスピードで接種が進み、11月にはカナダを抜いて主要7カ国(G7)の中で最も高い接種率を達成することになった。
2021年12月現在、日本の人口の約77.1%が必要回数の予防接種を受けており、12月1日からは医療従事者および関係者を対象とした追加接種を実施している。
3. 注目の新店が続々オープン
2021年は原宿のカワイイモンスターカフェや大江戸温泉など、東京のランドマークが街から姿を消し、多くの人が別れを経験した。しかし、カワイイモンスターカフェは大阪にポップアップストアをオープン。東京では隈研吾が設計した村上春樹ライブラリーや、遠隔地にいる人間が操縦するロボットカフェなど、刺激的な新スポットも続々と誕生している。
入国規制や酒類提供の停止などさまざまな問題もあったが、新鮮な場所と見どころを提供し続けてきた。これは並大抵のことではないはずだ。
4. 細田守の新作、カンヌで10分超えのスタンディングオベーション
新型コロナの世界的な流行により、大きな被害を受けたのが映画業界だ。超大作のプレミア上映が延期されるなど、映画やテレビシリーズの制作スケジュールが全面的に乱れ、その影響は今も継続している。そんな中、日本の作品は観客を魅了し続け、2021年に北アメリカで公開された劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』は、アメリカで歴代2位の興行収入を記録。カンヌ国際映画祭では、細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』が14分間のスタンディングオベーションを受け、世界的な話題となった。
2021年は新型コロナのオミクロン株への不安が再燃したり、海外への渡航や水際対策が強化されたりしたものの、評価するべき良いことがたくさんあった。まだまだ不安定な状況下にあることも事実だが、今後の展開を慎重かつポジティブに見つめていきたい。東京は時間の経過とともにゆっくりと回復へ向かっている。正直なところ、2022年が待ち遠しい。
関連記事
『ミシュランガイド東京2022が発表、3店舗が15年連続で三つ星を獲得』
『今年は東京から2つのバーがランクイン、世界のベストバー50』
『サントリーウイスキー、2022年4月入荷分から28%値上げ』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら