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ここ数年で流行した宿泊スタイルの一つに「グランピング」があるが、ついに新たなスタイルが登場した。それは、ラグジュアリーな設備を備えた「移動するホテルルーム」だ。
ニューヨークを拠点とするスタートアップ、Moliving社は、世界初となる車輪付きのホテルルームである『Moliving』を開発。その初期ユニットが、2021年冬、ニューヨーク郊外のハドソンバレーにある高級エコリゾート、Hurley Houseに設置されることになった。
Moliving社の創業者兼最高経営責任者(CEO)のジョーダン・ベムは、『Moliving』についてプレスリリースで次のように述べている。
「従来のホテル開発モデルは、何世代にもわたって成功を収めてきましたが、今では生活習慣や旅行行動は大きく変化しました。私たちが目指しているのは、モバイルユニットと独自の技術でそうした変化の先頭に立ち、適応すること。『Moliving』はそのデザインにより、宿泊施設を自由に移動させたいというニーズに対応でき、その柔軟性で業界に貢献したい思っています。『Moliving』は、伝統的な五つ星の宿泊施設で体験できる全ての利点を提供しながら、ノマド的感覚や冒険を求める現代の旅行者を受けられるのです」
このコンセプトは本当にクールだ。ユニットはモジュール式で作られているため、設置はもちろん、移動も簡単。ホテルやリゾート側では、シーズンごとに部屋数を増減することも難しくない(昨年、ニューヨークでいくつも見られた新型コロナウイルス用の「ポップアップ病院」を手がけたSG Blocks社が、このプロジェクトに参加しているという)。
一つのユニットの長さは、約14メートルで広さは約37平方メートル。前と後ろには、広々とした屋外デッキが付いている。窓は床から天井まであり、スパ風バスルーム、木で覆われた家具、転換可能なベッドなども完備。ワイヤレススピーカー、USBポート、Wi-Fi、スマートテレビ、電子制御式シェード、室内金庫、プライベートバーなど設備も十分。これだけ完璧だと、宿泊客は部屋から出たくないと思うかもしれない。
「移動するホテルルーム」は宿泊業界にとって、グランピングに次ぐ新たなサービス拡大のきっかけとなるか、今後の展開に注目したい。
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