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東京から新幹線で約1時間ほどで行ける熱海は、昭和レトロ好きにとっての聖地だ。そんな街のシンボルで老舗リゾート「ホテル ニューアカオ」が約2年の休業期間を経て、2023年7月1日にグランドオープンした。
同ホテルは1954(昭和29)年に誕生した「赤尾旅館」を前身とし、1973(昭和48)年に開業。日本ジオパークにも認定される景勝地「錦ヶ浦」にあり、断崖に沿って縦に広がるような一風変わった構造が特徴だ。ホテルは、波打ち際の「オーシャン・ウイング棟(旧ホテルニューアカオ)」、崖の上の「ホライゾン・ウイング棟(旧ロイヤルウイング)」、そして2棟の中間地点に挟まれる大浴場棟「スパリウムニシキ」から成る。
今回グランドオープンとなった、昭和のクラシックホテルの美を存分に残す「オーシャン ウイング」は、コロナ禍による客足の減少や建物の老朽化が重なり、2021年11月に惜しまれつつも閉館していた。
閉館中も、芸術祭「ATAMI ART GRANT」や音楽フェス「ルーラル」の会場として使われ、その魅力を若者たちに発信してきたが、このほど改修を終え、マイステイズ・ホテル・マネジメント運営のもと、完全復活したのだ。ここでは、そんなホテルの魅力を紹介しよう。
1. 全室オーシャンビューの客室で眠る。
到着するとまず、広々とした豪華なエントランスに度肝を抜かれる。そして、エントランスは17階、客室は3〜14階、2階に屋上庭園、ホライゾン・ウイングにつながる連絡通路という、巨大で摩訶不思議な構造に戸惑うだろう。
オーシャン・ウイングの客室は全250室で、全てオーシャンビュー。和室二間や和室ツイン、和洋室、洋室と、さまざまなタイプの部屋を用意する。今回のリニューアルにあたり数部屋がリノベートされたが、ほとんどが当時の面影を残す「昭和」な客室だ。
中でもユニークなのは、広さ203平方メートルでメゾネットタイプの「インペリアルスイート」(1室のみ)。和洋ミックスの斬新なスイートルームで、吹き抜けのリビングからは美しい海が見渡せるほか、「いつ使うの?」と思ってしまう茶室も備わり、最大6人まで宿泊できる。
2. 超巨大レストランで贅沢する。
ホテル内で圧倒的な存在感を醸し出すのは、超巨大レストラン「メインダイニング錦」。大きな窓から絶景を眺めながら、地域の旬の食材を使った料理が味わえる。 夜と朝は宿泊者限定のバイキング料理を提供し、昼は一般利用もできるハーフビュッフェのランチ営業(大人2,970円、小学生以下1,650円、以下全て税込み)を行う。
そのほかにも、本格フレンチが楽しめる「ボヌール」、伊豆の鮮魚や地場の旬菜を使った日本料理を提供する「舞扇」2つのレストランがあり、宿泊者は好みのスタイルを選べる。
今回ディナーを「ボヌール」で味わったが、一皿一皿が美しく目でも楽しめるフレンチは絶品。大人で落ち着いた雰囲気があり、オーシャンビューをパノラマで眺められるダイナミックなつくりも圧巻だ。
3. 大自然を満喫する。
今回の復活にあたり力を入れたというのが、ホテルで楽しめる「アクティビティ」。特に海でのアクティビティは親子連れにぴったりだ。錦ヶ浦の海を利用した天然の海水プールで思いっきり泳いだり、「洞窟SUPツアー(蒼の洞窟)」で冒険気分を味わったり、カヤックやスノーケリング、フィッシング体験でそれぞれの基本を学んだりなど、気軽にマリンレジャーが楽しめる。
雄大な自然を全身で堪能したい。
4. インフィニティ風呂でくつろぐ。
ホテルには、大きく分けて3つの風呂があり、滞在中はどれでも楽しめるのも魅力だ。一番のおすすめは、海と一体化したような眺めが素晴らしいインフィニティデザインの露天風呂「スパリウムニシキ」。源泉循環式の風呂で癒やしの時間が過ごせる。
そのほか、檜造りの大浴場「彩海」や、海までわずか5メートルの露天風呂「波音」があり、プライベートを重視したいなら、貸し切り風呂「宙」「月」の利用もいいだろう。
なお、日帰り入浴も行っており、3つの温泉どこでも入浴が可能。フェイスタオルとバスタオルレンタルは無料で、ソフトドリンクの無料サービス付きだ(大人2,500円、子ども1,000円 ※土・日曜、祝日はプラス500円)。
5. 旅の思い出はパフェで締める。
秘密にしておきたいのは、ホテルから少し歩いた場所にあるカフェ「花の妖精」だ。断崖高所に迫り出すカフェで、レトロな内装と美しい景色に心ときめく人も多いはず。
なんと言っても、写真に収めたくなる美しくておいしいパフェはぜひ注文してほしい。厳選された旬の果実をあしらった看板メニューの「オリジナルパフェ」(1,800円から)や、喫茶店のプリンアラモードをモチーフにした「プリンパフェ」(1,700円)は要チェック。ソムリエによるワインとのペアリングも楽しめるので、アルコール好きはそちらもいいだろう。
ところで、現代によみがえった「ニューアカオ」はこれで完成ではない。今後も広大な敷地の魅力を生かした新アクティビティや、現在活用していないスペースをいかに再生させていくかを検討しているとのことだ。これからの動きからも目が離せない。
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