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2022年9月1日、神泉駅から徒歩1分の細い小道にカクテルスタンドとレストラン・バーを併設した「ホーン（Hone）」がオープンした。同店を手がけたのはストリートバーである「ロビー（LOBBY）」やカフェ＆ストリートバー「ネフュー（Nephew）」を担うクリエーティブプロダクション、アンドサプライ（and Supply）である。
オープンのきっかけとなったのは新しいオフィスの物件探し。神泉の裏道に入ったところで見つけた面白みのある物件の造りが気に入り、その構造からオフィスと飲食店を併設した、新しい空間を作ることを決めたのだという。
「人の目につきにくい場所だからこそ、自分たちのデザインやアイデアが介在することで、その場所が持つ価値を上げることができる」と語るのは代表の井澤卓だ。前店のロビーとネフューも裏通りの建物をあえて選んだきた。今回も「この物件だからこそできることがある」と感じたという。
1階は肩肘張らずに立ち飲みと簡単な料理が楽しめる、カクテルを提供するスタンド。1人でふらりと立ち寄りやすい雰囲気が魅力だ。2階はアラカルトでしっかりとした料理が満喫できるレストランになっている。21時30分からは創意工夫に富んだオリジナルカクテルが堪能で
ホーンという店名には「研磨する」という意味があり、
さらに、特徴的なのは、1階と2階に緩やかなつながりをもたせている点だ。2階の象徴的な円卓はガラス張りになっており、1階の厨房（ちゅうぼう）をのぞき見ることができるのが何とも面白い。奥には狭い空間ながらも店内全体を見渡せる、中2階のような横並び席があり、どの席に座っても「当たり席」になるように設計をしたそう。
1階のカクテルスタンドで最初にオーダーするなら、自家製の「Honeのレモンサワー」（1,100円、以下全て税込み）がおすすめ。複数のクラフトジンとラベンダーシロップ、レモンジュースを混ぜ合わせたレモンサワーは、フローラルな香りと清涼感が楽しめる一杯だ。
角打ちのつまみに最適なのは、彩り鮮やかな「真鯛のカルパッチョ マイクロトマト ザクロ」（1,200円、別途サービス料）。マダイに2種のトマトとザクロ、ニラの花、マイクロハーブなどを合わせた逸品で、野菜の甘酸っぱさとハーブの程よい苦み、ザクロのプチプチとした食感が見事に調和している。
2階のレストランメニューで注目したいのは、秋限定の「オーストラリア産仔羊のロースト」（3,600円）だ。あっさりとしたランプの赤身とズッキーニのような食感のトロンべッタは相性抜群。カボチャのピューレの甘みが全体のアクセントになっている。
ホタテのねっとりとした食感とイチジクの甘みが網焼きした唐辛子の香ばしさを引き立てる「甘長唐辛子の網焼き ホタテとイチジクのタルタル」（1,700円）もおいしいので、ぜひ食べてみてほしい。
2階にはゲストが入れるワインセラーもあり、各国のナチュラルワインも豊富に揃えている 。料理に合わせてみるのもいいだろう。
アンドサプライはクリエーティブプロダクションであり、飲食業が専門分野ではない。だからこそ客目線を大切にし、店舗プロデュースを行うことに力を入れている。一度足を運べば、ワインやカクテルの知識が全くなくても、気軽にそれらを楽しめる工夫が随所にあふれていることに気づくだろう。
「自由なアイデアを形にするクリエーティブプロダクションというバックグラウンドを生かし、新しいチャレンジをすることで、飲食店に抱く固定概念を超えていきたい」と井澤は語る。デザインの力と独自のセンスで、飲食業界に新しい風を運び続けるアンドサプライとホーンの今後にこれからも目が離せない。
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