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2023年10月28日(土)、幡ヶ谷駅から徒歩約8分の商店街に、セレクトショップ「ロウカ(LÖUKA)」がオープンした。手がけるのは、目白のセレクトショップ&ショールーム「セメント(CEMENT)」のオーナーバイヤーの田島秀一。セメントでは国内外のアパレルを展開しているが、ロウカではフレグランスと植物をメインに取り扱う。
ロウカがオープンしたのは駅から北に延びる幡ヶ谷六号通り商店街の一角。周辺は昔ながらの青果店や洋品店、靴店などが軒を連ね、渋谷区でありながら懐かしい雰囲気が漂う。向かい側にはスーパーがあり、日中はシニアの姿も目立つ。
あえてレトロな商店街に出店した理由について、田島は「買い物の途中にふらりと立ち寄れる店にしたく、この地を選びました。また幡ヶ谷はライフスタイルに関心の高い層が多く住んでいるのも特徴。人通りが途切れることもなく、物件を見た瞬間に即決しました」と話す。
「ロウカ」というショップ名は、中国の唐時代の詩人、于良史(うりょうし)が詠んだ「弄花香満衣」から命名した。弄花香満衣は直訳すると「花を摘んでいると、いつの間にか香りが服に染みつく」となり、「いい環境に身を置くことで、いつの間にかいい影響を受ける」と解釈されるそうだ。
吹き抜けの天井から自然光が差し込む「都会の小さな森」
店舗デザインを担当したのは、「シロ(SHIRO)」の北海道工場を設計した、建築家ユニットのArii Irie Architects。築60年超えの長屋を改装し、白を基調としたモダンスタイリッシュな空間へとよみがえらせた。もともとは2階建ての建物だったが、吹き抜けにしたことで自然光がたっぷり差し込み、柔らかな印象を与えている。
植物は、オフィスのグリーンコーディネートなどを行う、目白の「ボタニカル アトリエ ルスルス(Botanical Atelier Ressources)」が監修。ショップインショップとして約100種類の植物を販売する。ルスルスは伊勢丹新宿店にも出店しているが、ここでは同店のコンセプトである「都会の小さな森づくり」を色濃く表現しているという。
「より簡単に手入れできる植物」を軸としたセレクションが特徴で、小型から中型を中心にラインアップし、2階にはつるすタイプのアイテムが並ぶ。いずれも風通しと日当たりに気をつければ、置く場所は選ばないという。植物は3,000円(税込み)からとリーズナブルなのもうれしい。
豊かな感性から導かれたフレグランス
フレグランスアイテムは全て田島がセレクト。香水やルームフレグランス、ボディーケア、キャンドルなどを取り揃える。海外の展示会で見つけたものをはじめ、田島の直感で収集したものばかりで、ほかではなかなか出合えないアイテムが多い。
中でも注目したいのは、実店舗では初の販売となるブランド「フォグ(FOG)」だ。福岡在住の調香師が手がけており、服やスカーフなどに吹きかけるマルチパフュームを展開。複雑で奥深い香りが特徴で、「柚と山椒」をはじめ7種類を用意する。
日本初上陸となる、オーストリア・ザルツブルグのライフスタイルブランド「ビー ソープ マイ フレンズ(BE SOAP MY FRIENDS)」も必見。アロマキャンドルやルームスプレー、ヨガマットスプレーなどを取り揃える。
さらに天然精油を用いた「セント オブ ヨーク(SCENT OF YORK)」や、調香師の和泉侃(いずみ・かん) が香りを監修し、建築家の柳原照弘がディレクションを担当した「スクナ(SKUNA)」ほか約10の国内外ブランドをラインアップする。
オープンのきっかけについて田島は「僕自身香水が好きで、これまでにない空間でフレグランスの魅力を多くの人に知ってもらいたいと思ったのが始まりです。訪れるだけで気分が上がる店にしていきたいですね」と意気込む。
長きにわたりファッション業界に身を置いてきた、田島の感性が凝縮したロウカ。さらに今後も新たなブランドを取り揃えていく予定という。フレグランスと植物が奏でる空間に身を置けば、五感で清々しい美しさを覚えることだろう。ぜひ幡ヶ谷の新名所を訪れて、これまで体験したことがない香りに出合ってみてほしい。
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