[title]
江戸時代、十五夜とともに親しまれていた栗名月(十三夜)の月見。「浜離宮恩賜庭園」では、同期間に夜の月見散歩をテーマにした観月イベント「~浜離宮でお月見散歩~将軍の御庭で栗名月を愛でる」が、2022年10月5日(水)〜10日(月・祝)の6日間限定で開催されている。将軍家の別邸としてかつて園内で繰り広げられていた「御庭あそび」をモチーフに、「船上雅楽」や「燕の御茶屋で月夜の記念撮影」が体験できる。
同イベントはなんと10年ぶりの開催、同園の夜間開園自体が2018年以来となる。樹齢300年のマツの木をはじめ、アカマツの背景に汐留の夜景が広がる。江戸期から受け継がれる庭園と高層ビル群のコントラストは、江戸と現代が交差する唯一無二の空間だ。
また、期間中に行われる「波の綾」をテーマにした光と影の演出では、うっすらとした照明を当てることで、園内の建物を背景の夜景から浮かび上がらせる工夫も施されている。
今回、マツやタカをモチーフにした「浜離宮オリジナルデザイン堤灯」(1,500円、以下全て税込み)が限定アイテムとして登場。月見散歩の足元を照らすお供にいかが。
園内にはフォトスポットが点在している。5日と10日の15時30分〜20時30分に特別開放される「燕の御茶屋」では、行灯(あんどん)でディスプレーされた御茶屋室内での記念撮影ができる。
御茶屋の白壁には浜離宮ゆかりのモチーフが映し出され、影絵を使ったユニークな撮影体験も楽しめる。
浜離宮のハイライト「潮入の池(大泉水)」では7日(金)〜9日(日)の3日間、かつて将軍が楽しんだといわれる「船上雅楽」を再現。上演時間は18、19、20時の計3回、約20分間。池には水中に映り込む月をイメージした水中照明が設置され、趣を感じる演出を堪能しよう。
「栗名月」を望む芝生エリアには、月見台を設置。ススキやハギ、十三夜にちなんだ13個の餅のほか、浜離宮の特徴として、日本の柑橘における起源の一つともいわれている「クネンボ」が供えられている。
月見といえば団子。可美真手命(うましまでのみこと) 銅像エリアでは、「東京やきもち」の販売を実施。築地場外市場「築地 わだつみ」「つきじ常陸屋」が出店し、軽食も味わえる。
園内随一の絶景を誇る「中島の御茶屋」では、月見限定メニューを提供。通常16時45分までの営業を20時30分まで延長する。「お抹茶と和菓子のセット」(昼850円、夜1,000円)のほか、17時30分からの夜の部に登場する、数量限定の「日本酒と和三盆のセット」(1,300円)も見逃せない。
コロナ禍の影響でイベントの見送りが続く中、ようやく開催できることになった。今回のイベントは、過去に好評だった月見イベントをバージョンアップしている。江戸時代発祥の花園、向島百花園の十五夜伝統行事「月見の会」に続くイベントとしても今後、注目したい。
入場料は一般300円。特設ウェブサイトに掲載されている各種催しによっては、別途参加費用が必要だ。秋の宵、将軍家ゆかりの庭園で特別な月見の夜を過ごしてみては。
関連記事
『浜離宮恩賜庭園』
東京の最新情報をタイムアウト東京のメールマガジンでチェックしよう。登録はこちら