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新大久保のアジアンスーパーマーケット、シディークナショナルマートが話題を集めた和新トレーディングによるパキスタン料理レストラン、シディークパレス 東京タワー店が2021年11月1日にグランドオープンした。
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同店はシディークの8店舗目に当たり、東京タワーでは唯一のハラルメニューを提供する店舗。ピアノやステージがあるユニークな空間で、オリエンタルなランプの装飾や壁面に異国情緒が漂う。老若男女問わず多くの人が訪れる東京タワーという場所柄を意識して、店内は広く清潔感があり、子ども連れで来ても周りを気にすることなく楽しめる。
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メニューは『シャルハディチキン(Sarhadi Chicken)』といった本格的なパキスタン料理を提供。鶏のうま味と自家製ヨーグルトのほのかな酸味、こしょうの香りがきいた逸品だ。テイクアウト向けにケバブなども販売している。
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おすすめは、注文後に生鶏を1羽丸ごと焼き上げる「カラヒ(Karahi)」という料理だ。40分程度、圧力をかけて焼いただけのシンプルなメニューだが、赤トウガラシ、ブラックペッパー、スパイスなどが素材の味を引き上げるおいしさ。鍋のまま提供する豪快なビジュアルも食欲をそそる。
パキスタンでは国民的なストリートフードで、1キログラムを注文するのが一般的だという。同店では、日本人向けに500グラム(約2人前)から提供している。
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オープン初日は、関係者を招待したレセプションパーティーやテープカットセレモニーを開催。多くの在日パキスタン人、同社の生産拠点がある木更津市の市長である渡辺芳邦、TOKYO TOWER代表取締役の前田伸、イムティアズ・アハマド駐日パキスタン大使らが駆けつけ、盛大に祝われた。
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大使は、東京で一番有名な場所の一つにパキスタン料理店ができたことへの感謝を述べ、「今後も(シディークと)二人三脚でパキスタン文化を日本人へ紹介していきたい」とスピーチ。式典の中では、International Muslim Center-Japan会長のムハンマド・アブドゥル・ラーマン・シディーキ(Muhammad Abdur Rahman Siddiqi)による、「ドアー」と呼ばれる商売繁盛を祈る儀式が行われ、東京で構築されているインターナショナルな横顔が見える催しだった。
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また、来年度に計画しているビュッフェのバイキングコースも一足早くお披露目。シャミケバブやチキンティッカから、カラヒ、ダルカレー、ビリヤニ、『グラブジャムン(Gulab jamun)』などのスイーツまで50種以上のメニューが並ぶ。
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11月8日からビジネス向け外国人の新規入国制限が緩和され、ワクチン接種済みならば入国後の待機は最短3日で済む。訪日観光客のにぎわいが東京タワーに戻るのも、それほど先のことではないかもしれない。その時、シディークパレス 東京タワー店が日本と溶け合ったパキスタン文化発信地になることは間違いなさそうだ。日本の名所で異国を知る、新たな食体験をしてみよう。
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