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ゴールデンウィークをどう過ごすべきか、まだ決めかねている人も多いだろう。そうこうしている間にあれよあれよと日々は過ぎ、気がつけば何もせぬまま連休最終日、という悲劇を迎えるのだ。これを回避するために勧めたいのは、やはり「映画」である。それもイベント性の高い、名作映画のリバイバル上映に行くべきだ。
2010年代、正しく時代の寵児(ちょうじ) であったグザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)の傑作『わたしはロランス』や、伊丹十三の遺作であるサスペンスコメディー『マルタイの女』など、このタイミングでしか見られない名作がゴールデンウィークにはめじろ押しである。連休の過ごし方に迷っているのなら(迷っていなかったとしても)、ぜひ映画館に足を運んでほしい。
『わたしはロランス』

2010年代を代表する俊英グザヴィエ・ドランの出世作がスクリーンに登場。女性になりたいと願う男性と、その恋人の10年にわたる愛を描いた悲痛な恋愛映画で、衣装や美術、音楽に至るまで全てのセクションが巧みで美しく、監督と脚本、編集、製作総指揮を務めた若干23歳のドランの天才性が冴え渡っている強烈な一作だ。
ほんのワンカットのみ出演するドランの凄まじいオーラとため息もののルックスも見逃せない。また、当時15歳のドランが主演を務めた短編映画『鏡』も併映する。「アップリンク吉祥寺」で現在公開中だ。終映日は未定。
ソフィアコッポラ特集上映

アイコニックで洒落ていて、かつハートウォーミングな唯一無二の世界観を持つソフィア・コッポラの名作群が、35ミリフィルムで限定上映。ハリウッドスターと新婚女性が東京で繰り広げる淡いロマンス『ロスト・イン・トランスレーション』、豊かな色彩とポップ・ミュージックが満載な異色の伝記映画『マリー・アントワネット』、父と娘のつかの間のバカンスを描いた『SOMEWHERE』と、いずれも世界的に高い評価を受ける作品だ。
特典として3枚組みの特製ポストカードセットのプレゼントも実施する。『Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下』で、2025年5月8日(木)までの限定上映。
『カラオケ行こ!』

和山やまの傑作漫画の実写作。近年の漫画実写作の中でも高く評価されヒットを飛ばした映画で、合唱部の男子中学生がワケあって歌が上手くなりたいヤクザに歌を指導する、という奇妙なブロマンスを、会話劇の名手・山下敦弘が丁寧に仕上げている。綾野剛の芸達者ぶりと、新星・齋藤潤の瑞々しい演技が印象的だが、ヒコロヒーやチャンス大城などキャスティングの妙も素晴らしい。
「TOHOシネマズ新宿」「グランドシネマサンシャイン池袋」ほかにて、5月3日(土)~5日(月)の限定上映。
『マルタイの女』
今年2月から「TOHOシネマズ 日比谷」で行われている特別企画「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」のラストプログラム。カルト教団による殺人事件を目撃した女優と彼女を守る刑事が織り成す珠玉のサスペンスコメディー。シリアスなテーマを徹頭徹尾エンターテイメントに仕立て上げる伊丹の手腕が冴え渡る本作をぜひスクリーンで鑑賞しよう。舞台美術のこだわりぶりも注目だ。
「TOHOシネマズ日比谷」にて、5月1日(木)まで限定上映する。
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